NPO調査:経済的要因による体験格差は、習い事だけではなく子どもの遊びの選択肢にも影響していると推察
本部を東京都文京区に置く「NPO法人放課後NPOアフタースクール」は、就労家庭の小学生の放課後の過ごし方について調査を行い、2025年3月12日、その結果を公表しました。この調査では、2025年1月17日~18日、小学生の子どもがいる就労家庭の男女を対象にして、子どもの放課後の過ごし方や満足度をインターネットを通じて調べました。有効回答は1200でした(報告書は≪コチラ≫です。)。同法人は、放課後を子どもの楽しい時間にしたいと活動しているそうです。
就労家庭の小学生で習い事をしている割合は61.6%でした。一方、年収300万円未満では69.2%が習い事なしという結果でした。
就労家庭の小学生で放課後に友達と遊ぶ頻度が「週1回未満」と回答した子どもは52.1%でした。一方、年収300万円未満の家庭で「放課後に全く友達と遊んでいない」と回答した子どもは52.3%でした。低所得層の子どもは放課後に友達と遊ぶ頻度が少ないという結果でした。
自宅で留守番する際の過ごし方について聞いたところ、年収300万円未満の子どもは他と比べ、ゲームや本・漫画、お絵描き・工作をして過ごす割合が低く、さらにスポーツや音楽などをして過ごす子どもはいないという結果でした。また、友達と遊ぶ場所について聞いたところ、低所得層では放課後に学校や児童館・図書館などの公共施設で遊ぶ割合も低いという結果でした。ここから、低所得層の子どもは自宅での過ごし方や友達と遊ぶ場所のバリエーションが少ない傾向が読み取れます。つまり、経済的な要因による体験格差は、習い事だけでなく子どもの遊びの選択肢にも影響していることが推察されます。
年収300万円未満の家庭で放課後を「祖父母や親戚の家で過ごしていない」と回答した子どもは76.9%で、他と比べて多いことがわかりました。ここから、日常的な親以外の大人との関わりやサポートの少なさが子どもの体験の差に影響している可能性も推察されます。
放課後の過ごし方に対する子どもの課題やニーズについては、「もっと遊びたい」「友達と遊びたい」「自由に過ごしたい」という声が多くあがりました。他にも「学童に行きたくない」「家で過ごしたい」という声や、「時間がほしい・休みたい」「暇」「もっと充実させたい」という声もありました。子どもの放課後に対する保護者のニーズは、「子どもが安心・安全に遊べる場所、見守り等のサービスがほしい」という声が特に多く上がりました。また、「体験や習い事をさせてあげたい」「学童の仕組みや質を改善してほしい」という声も多数あがりました。