国民生活センター:ガラス繊維強化プラスチックによるケガに注意!
国民生活センターは、全国に約800ヶ所ある消費生活センターとPIO-NET(パイオネット)というオンラインのネットワークを通じて情報共有し、消費者トラブルの相談に適切に対応するための調査や研究、消費者への情報提供を行う独立行政法人です。国民生活センターは、全国の消費生活センターや医療機関から寄せられた「商品やサービス、設備などにかかわる事故情報」を元に、くらしの中にひそむ危険を、リーフレット「くらしのきけん」で紹介しています。2025年11月発行の最新号№388では、ガラス繊維強化プラスチックによる事故について警鐘を鳴らしています(最新号は≪コチラ≫です。)。
ガラス繊維強化プラスチックは、細いガラス繊維の束に樹脂をしみ込ませて成形したものです。軽量性・高強度・耐久性・断熱性・電気絶縁性にすぐれているため、傘の骨、園芸用ポール、テントの支柱などの身近な道具に用いられ、さらに今後も環境に配慮した素材として需要が高まると見込まれています。
ところが、ガラス繊維強化プラスチックが使用された商品の破損時にケガをしたり、表面から飛び出したガラス繊維に触ってケガをしたりするなどの相談が、消費生活センターに寄せられています。子どもが日頃から使っている傘などでケガをする可能性もあり、注意が必要です。問題は、ガラス繊維が細く肉眼では見えづらいため、露出した部分に触れると、ケガをするおそれがあることです。実際にどのような事故が起きているのか、特集では実際の事故例として、次のようなケースを取り上げています。
【傘による事故】子どもが人とすれ違うときにぶつかり、グラスファイバー製の傘の親骨が折れて細かなガラス繊維が手に刺さった。とくに子どもには危険な商品だと思う。
【園芸用品による事故】園芸ポールに素手で触れたところ、粉状のガラス繊維が飛び散り、体中に刺さった。
【玩具・遊具による事故】通信販売サイトで購入した屋根付き浮輪の支柱が折れて、中からグラスファイバーが出た。その部分に手で触れてしまって痛い。どうしたら良いか。
【アウトドア用品による事故】テントのグラスファイバー製の骨を組立て中、ガラスが指に刺さった。病院に行ったが、まだ指先が痛い。
国民生活センターは、ガラス繊維強化プラスチックは、表面からガラス繊維の先端が露出していることがあるため、不用意に素手で触らないなど取り扱いには注意するよう呼びかけています。また、ガラス繊維が皮膚に刺さって痛みが続く場合は、医師の診察・処置を受けることを勧めています。
