政府「死因究明等推進白書」:死因究明の施策の一環としてCDRの取組経過がまとめられています
2019年に「死因究明等推進基本法」という法律が国会で成立しました。死因究明等(死因究明と身元確認)は、安全で安心して暮らせる社会・生命が尊重され個人の尊厳が保持される社会の実現に寄与するとして制定されました。この法律によって、国は死因究明等の施策を策定し実施する責務を負い、政府は毎年、政府が講じた死因究明等の施策について年次報告書を公表しなければなりません。この法律を受けて、政府は、2025年11月11日、「令和7年版死因究明等推進白書」を閣議決定して公表しました(白書は≪コチラ≫です。)。
その白書の70ページに「死因究明により得られた情報の活用」の項が置かれ、そこにCDR(Child Death Review 予防のための子どもの死亡検証)の取組経過がまとめられています。その部分を引用します。なお、CDRとは、18歳未満の子どもの死亡事例を、多職種(医療、警察、消防、行政関係者等)が既往歴や家族背景、死に至る直接の経緯、解剖結果等の各種情報を基に死因調査を行って検証し、効果的な予防策を導き出す取組です(関連記事は≪コチラ≫です。)。
「CDRは、こどもが死亡したときに、複数の機関や専門家(医療機関、警察、消防、行政関係者等)が、こどもの既往歴や家族背景、死に至る直接の経緯等に関する様々な情報を基に死亡検証を行うことにより、効果的な予防策を導き出し予防可能なこどもの死亡を減らすことを目的とするものである。厚生労働省においては、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律や基本法が施行されたことを踏まえ、内閣府、警察庁、法務省及び文部科学省と連携しつつ、令和2年度より、CDRの体制整備に向けた検討を進めるため、一部の都道府県を実施主体として予防のためのこどもの死亡検証体制整備モデル事業を開始した。また、CDRの推進に当たっては、CDRそのものについての国民の理解が重要であることから、令和4年度には、新たに広報啓発事業として、CDRの意義、取組等を紹介するシンポジウムを開催するとともに、厚生労働省Webサイト(現在はこども家庭庁Webサイト)に、こどもの命を守るための予防策の一覧や動画等を掲載した。令和5年4月にCDRについては、厚生労働省からこども家庭庁に移管され、引き続き上記事業の推進及びCDRの体制整備等に向けた検討を進めている。」
