こども家庭庁:寝ている赤ちゃんの命を守るために。乳幼児突然死症候群(SIDS)をご存じですか

乳幼児突然死症候群(SIDS)は、12月以降の冬期に発症しやすい傾向があります。こども家庭庁は、毎年11月を「乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策強化月間」と定めています。SIDSに対する社会的関心を喚起するため、発症率を低くするポイントなどの重点的な普及啓発活動を実施しています。こども家庭庁は、2025年10月31日、プレスリリースを流しました(プレスリリースは≪コチラ≫です。)。

【SIDSとは】SIDSは、それまで大きな異常のきざしがないのに、乳幼児が睡眠中に突然亡くなってしまう原因不明の病気です。窒息と混同しがちです。しかし、窒息などの事故とは異なります。主として睡眠中に発症し、日本での発症頻度は、およそ出生6000~7000人に1人と推定されています。生後2ヶ月~6ヶ月に多く、稀には1歳以上で発症することがあります。2024年には55名の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第3位となっています。なお、1997年のSIDSによる死亡者は538人を数えていました。

【SIDS発症リスクを低くするための3つのポイント】SIDSの予防方法は確立していません。しかし、以下の3つのポイントを守ることにより、SIDSの発症率が低くなるというデータがあります。

①1歳になるまでは、「あおむけ」に寝かせましょう。SIDSは睡眠中に起こります。うつぶせ寝、あおむけ寝のどちらの体勢でも起こっていますが、あおむけに寝かせたほうが発症率が低いことが研究でわかっています。医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効です。

②無理のない範囲で母乳育児を。母乳で育てられている赤ちゃんのほうが、SIDSの発症率が低いことが研究でわかっています。様々な事情があり、すべての人が母乳育児ができるわけではありません。授乳に関して少しでも不安を感じる場合は、病院や保健センターなどに相談してみましょう。

③たばこはやめましょう。たばこもSIDSの発生要因のひとつであるといわれています。乳幼児の周囲で誰かがたばこを吸うことは、SIDSの発症率を高くすることがわかっています。妊婦自身の喫煙、まわりの人が吸ったたばこの副流煙を妊婦が吸う「受動喫煙」も生まれた後にSIDSの発生要因になります。こどもに関わるすべての大人は喫煙をやめましょう。