こども家庭庁:「こども性暴力防止法」の周知を求める通知を発しました
こども家庭庁は、「こども性暴力防止法」が2026年12月25日に施行されるのを前に、2025年9月30日、この法律の内容を関係事業者に周知するよう都道府県及び指定都市宛に通知しました(通知は≪コチラ≫です。)。
子どもに対する性暴力は断じて許されるものではありません。しかるに、子どもを守るべき立場にある学校や保育所、学習塾などで子どもへの性暴力が多数発生しています。当然のことながら、子どもに対して教育・保育などを行う事業者には、子どもへの性暴力を防ぐための取り組みが求められます。こうした理由から、2024年6月19日、「こども性暴力防止法」が制定されました。この法律で定められた制度の骨格となる「中間とりまとめ」が2025年9月29日公表され、本年の年末を目途にガイドラインが策定される予定です(関連記事は≪コチラ≫です。)。
この法律の主要な柱のひとつが日本版DBSです。学校や保育所など子どもと接する事業者が、現に働いている従業員やこれから新たに採用しようとする者の性犯罪の前科の有無を、こども家庭庁を通じて法務省に照会して確認する制度です。照会の結果、前科のあることが確認されたときは、従業員に対しては子どもと接する職場からの配置転換などを、新規採用予定者に対しては内定の取消などの対応を講じなければなりません。この制度による法的効果は強力であり、かつ、対象となる事業者や従事者の範囲は幅広く、多数にのぼります。そのため、法律施行前から十分に周知され、事前に準備をしておく必要があるとして、今回の通知が発せられました。
法律の対象の事業者は、学校や保育所などは公立・私立を問わずすべての施設や事業者が該当します。また、認可外保育施設、放課後児童クラブ、学習塾、スポーツクラブなどは、こども家庭庁に申請し、認定を受けた場合に法律の対象となります。認定を受けた事業者は、国がHPで公表し、認定マークを表示できるようになります。
通知に掲げられた対応として、新規採用予定者に対しては、採用前に本人から、性犯罪の前科の有無を確認しておくことを求めています。また、現に従事している現職者については、法律施行後の前科の確認により、前科があると判明した場合には、子どもに接する業務に就くことができなくなることについて、今から理解してもらうことを求めています。さらに、今の時点から、採用に際しては、性犯罪の前科の有無を確認する誓約書などを作成させるよう求めています。こども家庭庁は、この法律の周知のためリーフレットと動画を作成し、Webサイトで公開しています。