警察庁:2024年における児童虐待事件の検挙件数は2649件。過去最多
警察庁は、2025年9月25日、「令和6年中における少年の補導及び保護の概況」という統計を公表しました(統計は≪コチラ≫、前年の記事は≪コチラ≫です。)。その統計には、全国の20歳未満の子どもが加害者又は被害者となった少年事件や刑事事件の統計がまとめられています。その中に、2024年における児童虐待事件の検挙の件数や人数、罪名などが述べられています。
児童虐待事件として2024年中に検挙された件数は2649件で、前年より264件増加し、過去最多となりました。10年前の2015年の検挙件数は822件でしたから、10年間で3倍以上に増加しました。2649件の児童虐待の類型別の内訳は、身体的虐待2136件、性的虐待431件、ネグレクト28件、心理的虐待54件でした。
2024年中の検挙人員は2682人で、前年より263人増加し、これも過去最多でした。2024年中に検挙された児童虐待事件の被害児童数は2700人で、前年より285人増加しました。児相による虐待相談対応件数が増加しているのと同様に検挙件数も検挙人員も増加しています。
なお、児童虐待罪という罪はわが国にはありません。児童虐待が刑法や特別法に定められた罪に該当することによって検挙され、裁かれることになります。児童虐待事件として2024年中に検挙された罪の種類は、件数が多い順番に、傷害罪1056件、暴行罪986件、不同意わいせつ罪230件、不同意性交等罪164件、殺人罪72件、暴力行為等処罰法違反50件、保護責任者遺棄罪33件などでした。
児童虐待事件により死亡した子どもは47人で、前年より19人増加しました。罪名別でみると、殺人罪32人、傷害致死罪11人、保護責任者遺棄致死罪3人、重過失致死罪1人でした。