公益財団法人:子どもに生成AIのことを質問しました

公益財団法人博報堂教育財団こども研究所は、小中学生を対象にして、生成AIの認知度や利用状況などを調査しました。調査は、2025年8月8日、小学4年~中学3年の男女1200人を対象にしてインターネットで実施され、その結果が2025年9月18日に公表されました(結果は≪コチラ≫です。)。

【認知率と使用経験率】生成AIを「知っていて、どんなことができるかわかる」「知っていたが、どんなことができるかわからない」を合わせた認知率は8割でした。「よく使っている」「たまに使っている」「使ったことはあるが、今は使っていない」を合わせた使用経験率は4割でした。小学生よりも中学生の方が認知率、使用経験率ともに高く、中学生の使用経験者は半数近くとなりました。

【生成AIは自分にどのような影響があるか】生成AIを認知している子どもに、生成AIの使用は自分自身にどのような影響があると思うか、項目を示して質問しました。「そう思う」と答えた上位の項目は、多い順に次のとおりでした。「すきなことや興味のあることにくわしくなりそう(68.0%)」「新しいことを体験できそう(63.2%)」「デジタルやコンピューターにくわしくなりそう(60.6%)」「工作やイラストなど、創作活動でよりよいものが作れそう(58.9%)」 「宿題がらくになりそう(54.8%)」。その一方で、「自分で考えなくなりそう」も4割ほど存在し、生成AIという新しい技術に不安と期待が混在している様子も見られました。

【生成AIをどう思うか】生成AIを認知している子どもに、生成AIについての考えを聞いたところ、「楽しい」が80.1%、「味方」が73.2%と高い値でした。しかし、「優しいか、こわいか」「安心か、心配か」「信用できるか、信用できないか」では、4割弱が「どちらともいえない/わからない」と回答しました。生成AIの安全性や信頼性については、まだ判断がつかない段階にあると見てとれます。

【気をつけること】生成AIを認知している子どもに、生成AIを使うときに気をつける項目を挙げ、知っているのはどれか聞いたところ、上位は「名前や住所を入力しないようにする(35.8%)」「人を傷つける内容を入力しない(35.4%)」などで、いずれも半数に届きませんでした。利用上の注意点はあまり浸透しておらず、認識不足のまま利用が先行しているといえます。

【使用目的】生成AIの使用経験のある子どもに聞いた使用目的は、「わからないことを調べる」が7割で最多でした。小学生と中学生ではあまり差はありませんが、中学生は「文章を作ってもらう(28.1%)」「文章のアイデアを出す(23.7%)」といった文章生成での使用が、小学生よりも5ポイント以上高い値でした。