OECDカントリーノート:大学等への日本の公財政支出は、0ECD平均の54%
OECD(経済協力開発機構)は、欧米諸国、アメリカ、日本などを含む38か国(2022年9月時点)の加盟国によって構成されており、世界最大のシンクタンクとしてさまざまな分野における政策調整、協力、意見交換を行っています(本部はパリ)。OECDは、教育の分野についても加盟国間の分析・検討を行っています。OECDは、「Education at a Glance(教育の概要)」という報告を毎年公表しており、2025年9月9日、2025年版を公表しました(日本の教育制度の主な特徴を概観したカントリーノートは≪コチラ≫です。)。
【在学者1人あたりの教育支出】OECDは、OECD加盟国の各国政府が在学者1人あたりに対して行っている教育支出の金額を分析、比較しています。初等教育~中等教育では、最高はルクセンブルクの約2万7000米ドル、最低はペルーの約2000米ドルでした。日本は1万0993米ドルを支出しており、これは加盟国の中では中位に当たります。ところが、大学などの高等教育への教育支出は、OECD平均が1万5102米ドルであるのに対し、日本の教育支出は8184米ドルにすぎません。日本はOECD加盟国の平均の54%にとどまっています。小学校~高校は中位にあるのに対し、大学に対する国などの公的支出の少なさが目立ちます。
【教員の法定給与(手当、ボーナスは除外)】2015年~2024年の間に、ほとんどの国で法定給与が増加しました。しかし、新任の教員と経験が豊かな教員では増加率が異なっています。日本ではこの期間、初任給は増加しましたが、15 年勤続教員の給与は減少しました。2024年においても、日本の法定給与は依然としてOECD平均を下回っています。初等教育の教員の法定給与は、最低資格教員の初任給である3万4863米ドル~最高資格教員の最高給与である6万6530米ドルまでの範囲にあります。これは、OECD平均の最低4万4153米ドル~最高7万4896米ドルを下回っています。
【学級規模】OECD全体で、初等教育の平均学級規模は2013年以降変わらず20.6人となっています。日本では、2023年の初等教育の平均学級規模は26.7人で、2013年から0.7人減少しました。
【高等教育の女性教員の割合】高等教育における女性教員の割合は、OECD平均が54%であるのに対し、日本は31%にとどまっています。OECD加盟国の中では最低でした。