気温35度では15分で車内は「危険レベル」。子どもを短時間でも車内に残さないで。JAFの実験から
2025年の夏は連日の猛暑に見舞われています。一般社団法人日本自動車連盟(JAF)は、車内温度が外気の暑さでどのように変化するか実証テストを行い、その結果を公表するとともに、短時間の駐車でも危険な高温になる車内に子どもや高齢者、ペットを置き去りにしないよう注意を呼びかけています(資料は≪コチラ≫です。)。
【5月ならまだ大丈夫?】2007年4月、同型の自動車を数台設置し、「ダッシュボード」「フロントガラス」「車内空間」「車内に置き去りにされた子どもダミー」「チャイルドシート」などに温度センサーを設置して日の出から日没まで、車内温度を計測しました。その他にメガネやガスライター、CD、缶入り炭酸飲料水、お菓子など、高温による形状変化を見るために配置しました。結果は、ダッシュボード付近70.8℃(11時50分頃)、運転席の顔付近の車内温度48.7℃(14時10分頃)、測定日の外気温23.3℃(13時40分頃)、フロントガラス付近57.7℃(11時50分頃)でした。この日は最高気温が23℃と比較的過ごし易い1日でした。しかし、車内温度は50℃近くまで上昇し、車内に置いた缶入り炭酸飲料が破裂しました。
【短時間であれば、子どもを車内に残しても安全?】コンビニやスーパーなどの駐車場に子どもを車内に残した状況を想定して、2012年8月、気温35度の炎天下に駐車した車内熱中症の危険度を測定しました。窓を閉め切ってエンジン停止・エアコン停止させてからわずか15分で、温度と熱中症の危険性を示す熱中症指数(WBGT)が危険レベルに達しました。乳幼児は体温調節機能が未発達で、高温下では短時間で体温が上昇し、死に至ることがあります。寝ているからという理由で、車内に子どもを残すのは大変危険です。また、高齢者も加齢にともない体温調節機能が低下するため、同じように危険です。
【窓を3㎝開けて車から離れました。大丈夫?】同じ日の実験で、窓を閉め切った状態と3㎝開けた状態で車内の温度変化を調べました。車内最高温度は、窓閉めが57℃、窓開け(3㎝)が45℃でした。車内平均温度は、窓閉めが51℃、窓開け(3㎝)が42℃でした。ダッシュボードの最高温度は、窓閉めが79℃、窓開け(3㎝)が75℃でした。窓を3㎝開けたとしても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできませんでした。
【エアコンをつけていれば大丈夫?】エアコン作動車だと温度上昇は防げますが、子どもがエアコンを切ったり、車の故障で鍵がかかったりする可能性があります。燃料切れでエンジンが停止する可能性もあります。車外に出るときは、たとえ短時間でも子どもやペットを残さないことが重要です。