男性の育児休業取得率は40.5%で過去最高。男女で子育てをする環境の整備へ。厚労省の調査から
厚労省は、2025年7月30日、2024年度の「雇用均等基本調査」を公表しました。2024年10月1日時点の雇用にかかるさまざまな実態を、全国にある企業の事業所6300か所を対象にして調査しました。有効回答は3383の事業所から得られました(統計は≪コチラ≫です。)。
その中に、育児休業制度の利用状況の統計が含まれています。それによると、民間企業で働く男性社員の2024年度における育児休業の取得率は40.5%となりました。前の年度の30.1%から10.4ポイント増えて過去最高となりました。この数字は、2022年10月1日~2023年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、2024年10月1日までに育児休業を取得した人の割合です。ここには、本来の育児休業のほかに、「産後パパ育休」の制度を利用した人も含まれています。
育児休業は、子どもが1歳(最長2歳)になるまで取得が可能です。これに対し、産後パパ育休は、子どもの出生後8週間以内に4週間(28日)まで取得可能な制度で、2021年に新規に導入されました。育児休業を取得した男性のうち、産後パパ育休を選んだ人の割合は60.6%で、半数を超えていました。そうしますと、産後パパ育休の利用が男性の育休取得率のアップにつながっているといえそうです。
2022年10月1日~2033年9月30日までの1年間に出産した女性社員のうち、2024年10月1日までに育児休業を取得した人の割合は86.6%でした。前回調査時の84.1%より2.5ポイント上昇しました。
ところで、この調査の対象は、常用労働者5人以上を雇用している民営事業所とされています。常用労働者が5人未満の事業所は調査の対象外です。したがって、零細の事業所の実態は統計に反映されていないこととなります。また、そもそも規模の小さな事業所では育児休業者に替わる人材をすみやかに確保することが困難なことから、育児休業制度が十分に機能しない可能性があります。こうした事業所も含めて、希望すれば男女ともに仕事と子育てが両立できるような環境が整備されることは重要です。そのためにも男性による育児休業が自由に取得できることが必要です。