政府は2回目のこども白書を閣議決定しました
政府は、2025年6月13日、「令和7年版こども白書」を閣議決定しました。こども白書はこども基本法8条1項に基づく年次報告書です。白書には、こども政策の内容や実施状況、子ども・若者・子育て当事者の置かれた状況が250ページにわたって記されています(概要版は≪コチラ≫、全体版は≪コチラ≫、前年の記事は≪コチラ≫です。)。ここでは「第2部 我が国におけるこどもをめぐる状況」から引用します。
【成育環境】安心できる場所があると思うこども・若者、「どこかに助けてくれる人がいる」と思うこども・若者の割合は、いずれも9割を超えている。「学校は、こどもが安全に安心して過ごすことができる、こどもにとって大切な居場所の1つである」と思う人の割合は半数を超えている。自身の周りに「こどもや若者の遊びや体験活動の機会や場が十分にある」と思う人の割合は、約4割である。「社会生活や日常生活を円滑に送ることができている」と思うこども・若者は約半数である。その一方で、「今までに、社会生活や日常生活を円滑に送ることができなかった経験がある」又は「現在、社会生活や日常生活を円滑に送れていない状況がある」と回答したこども・若者は2割を超えている。
【安心・安全】2023年度における児童相談所の児童虐待相談対応件数は、22万5509件と依然として多く、1999年の約19倍まで増加している。小・中学校の不登校児童生徒数や、いじめの重大事態の発生件数は、2023年度において過去最多となった。2023年度におけるパソコンや携帯電話等を使ったいじめ(ネットいじめ)の件数は過去最多の2万4678件で、2011年度に比べて約8倍となっている。2023年の19歳以下のこども・若者による自殺者数は773人に上る。10歳代における死因では自殺が最多であり、15歳以上では死因の約半数を自殺が占めている。
【自己認識】多くのこども・若者が「自分には自分らしさというものがある」と感じており、「今の自分が好きだ」と思っている。我が国のこども・若者の約6割が、「自分自身に満足している」と感じており、こうした肯定的な自己認識には改善が見られ、諸外国に比べると低さは見られるものの、その差は小さくなっている。
【社会認識】「自国の将来は明るい」と思う我が国のこども・若者の割合は約2割にとどまる。2018年度と比べ、「暗い」と思うこども・若者の割合が、諸外国の中でも比較的大きく増えている。「こどもは権利の主体である」と思うと約半数が回答しているのに対し、「こども政策に関して自身の意見が聴いてもらえている」と思うと回答した人の割合は約2割、「障害のあるこども・若者、発達に特性のあるこども・若者の地域社会への参加・包容(インクルージョン)が推進されている」と思うと回答した人の割合は約3割にとどまる。「こどもまんなか社会の実現に向かっている」と思う人の割合は2割弱である。