こども家庭庁は、全国の市区町村での「こども家庭センター」の設置状況を調査しました

こども家庭庁は、2025年4月21日、全国の市区町村での前年10月1日時点におけるこども家庭センターの設置状況の調査結果を公表しました(調査結果は≪コチラ≫です。)。前回の公表は2024年7月8日でした(その記事は≪コチラ≫です。)

こども家庭センター創設のいきさつについて振り返ってみます。市区町村の母子保健部門と児童福祉部門は、縦割り行政によって、これまでは別々に活動していました。しかし、こうした状況は児童虐待の早期発見・早期対応の支障となっていました。国は、2022年の児童福祉法・母子保健法の改正によりこども家庭センターを創設し、2024年4月1日から施行しました。ただし、設置は市区町村の努力義務にとどめられました。こども家庭センターは、両部門の機能を維持した上で、共通のセンター長と統括支援員を両部門の上に置き、両部門を一体的に運営できるようにしました。こうすることによって、両部門の連携が図られ、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへの切れ目ない支援が図られます。この制度が機能すれば、支援の必要な家庭の見落としをなくし、児童虐待を未然に防止することが期待できます(資料は≪コチラ≫の2ページです。)。

全国の1741市区町村のうち、2024年10月1日時点でこども家庭センターを設置した市区町村は917となり、52.7%となりました。前回調査時の876からは41増えました。未設置の市区町村は824でした。

市区町村の分類別に設置状況を見てみます。指定都市は全国に20あり、そのうち15の市で設置しました(75.0%)。中核市・特別区は85あり、そのうち67の市区で設置しました(78.8%)。それ以外の市は710あり、そのうち511の市で設置しました(72.0%)。町は743あり、そのうち285町で設置しました(38.4%)。村は183あり、そのうち39村で設置しました(21.3%)。指定都市や中核市、特別区などの大規模な自治体での設置をすすめることが課題です。

未設置の824市区町村に対し、こども家庭センターの設置にあたりどのような課題があるかを尋ねました(複数選択式)。「統括支援員を担う人材の確保・育成」が618(75.0%)、「サポートプラン作成・手交の方法など計画的支援を行う流れの理解・整理」が528(64.1%)、「センターの役割を果たすための既存組織や指揮命令系統の再編」が497(60.3%)などという結果でした。