文科省「学校保健統計調査」:裸眼視力1.0未満の子どもが過去最高に。視力低下止まらず

文科省は、子どもの発育状態・健康状態を明らかにするために、1948年度から「学校保健統計調査」を毎年実施しています。2024年度は、2024年4月1日~6月30日、全国の5歳~17歳の子ども約320万人を対象に、学校で実施される健康診断の結果を集計して、身長・体重の発育状態と疾病・異常の有無などの健康状態を調査しました。文科省は、2025年2月12日、2024年度の学校保健統計の確定値を公表しました(報道発表は≪コチラ≫です。)。

視力については、裸眼の視力が1.0未満の子どもの割合は、小学校で36.84%、中学校で60.61%、高校で71.06%と、学年が上がるごとに高くなっています。いずれもこれまでの調査の中で最も高くなりました。要因については、勉強や読書、スマホやタブレットなどの電子機器の利用など近くをみる生活場面の増加が影響していることが指摘されています。文科省は、できるだけ外で遊ぶ・暗いところで本や画面を見ないで照明をつける・本や画面を目から30㎝以上離す・30分に1回は体を動かすことなどを呼びかけています。

虫歯がある子どもの割合は、幼稚園で20.71%、小学校で32.89%、中学校で26.50%、高校で31.70%でした。幼稚園~高校の全てで過去最少となりました。要因については、学校での歯磨き指導など歯科保健活動の成果や、家庭における歯の健康に対する意識の向上などが指摘されています。

身長別標準体重より2割以上痩せている瘦身傾向の子どもの割合は、男女とも10歳ごろまで0%代→1%代→2%代→3%代と徐々に上昇し、10歳以降は3%前後となっています。痩身傾向の子どもの割合が最高だったのは、男子が15歳の3.88%、女子が12歳の4.22%でした。一方、身長別標準体重より2割以上太っている肥満傾向の子どもの割合は、男子が5歳と8~11歳と13歳で、女子が5歳と7~9歳と11歳で過去最多でした。いずれも11歳が最も高く、男子は13.00%、女子は10.02%でした。