長野県教育委員会調査:長野県の公立学校の教員不足は75人
地元での報道によると、長野県教育委員会が2024年10月1日時点の長野県内の公立学校の教員の欠員数を調査したところ、欠員は合計75人にのぼり、調査を始めた2021年以降で最多を更新しました。前年の同じ時期の調査よりも24人増えました。欠員の内訳は、小学校が39人(前年比9人増)、中学校が16人(前年と同数)、高校が9人(前年比9人増)、特別支援学校が11人(前年比6人増)でした。
教員の不足は全国で進行しています。こうした状況は、教員を取り巻く環境を悪化させるだけではすみません。学校で学ぶ子どもたちの教育を受ける権利を侵害し、学校生活の乱れや心理面の不安などの悪影響を及ぼします。子どもにとって学校はとても大切な場所のはずです。ですから、教員の不足の解消は、子どもにとっても重要な課題です(関連記事は≪コチラ≫です。)。
これまでは、教員採用試験の不合格者らに講師の登録をしてもらい、欠員が生じたときは登録者を講師に当てていました。ところが、近年は、より待遇の良い民間企業への就職を選ぶ人が増え、講師を確保することが困難になっているそうです。そのため、欠員が生じた学校では教頭や他の教員が業務を分担して対応しています。
講師のなり手が不足する原因には、講師の給与や研修制度などの待遇面で大きな差があることや、正規教員が復職すると講師の任用が終了する不安定な雇用形態などがあります。教員の不足を解消するには、講師の給与や雇用形態を見直し、研修機会を提供するなど、講師が安心して稼働できる環境を整備することが必要です。それとともに、教員の仕事に対する魅力あるいはやりがい感が薄れているという現実も窺えます。教員が余裕をもって勤務できるように教育予算全体を底上げすることも重要です。