厚労省は、2022年度の児童虐待相談対応件数を下方修正し、21万4843件だったと公表しました

厚労省は、2024年9月24日、全国232か所の児相による2022年度の児童虐待相談対応件数を下方修正し、21万4843件だったと公表しました(「令和4年度福祉行政報告例(児童福祉関係の一部)の概況」は≪コチラ≫です。)。

なぜこのような下方修正が行われたのか、その経過を振り返ってみましょう。こども家庭庁は、全国の児相が2022年度に相談を受けて対応した児童虐待相談対応件数を集計し、2023年9月7日、21万9170件だったと公表しました(関連記事は≪コチラ≫です。)。2022年度の総数21万9170件は、前年度より1万1510件増え、1990年の集計開始以来32年連続で最多を更新するというものでした。この総数は、都道府県や政令市、中核市などの児相設置78自治体からの報告数を合計したものです。

ところが、2023年10月に入って、一部の地方自治体では国の示す記入要領に従って報告していないとのニュースが流れました。この報道を機に、こども家庭庁は78自治体に調査をしました。すると20の自治体から「記入要領どおりに報告できていない。」との回答が寄せられました。これを受けて、こども家庭庁は、2024年1月26日、78自治体に対し、2022年度の児童虐待相談対応件数を訂正する必要があるかどうかの確認を求める依頼文書を発しました。回答期限は、2024年2月29日とされました(依頼文書は≪コチラ≫、関連記事は≪コチラ≫です。)。厚労省は、訂正された78自治体からの報告を再集計し、2022年度の児童虐待相談対応件数は21万4843件だったと公表するに至ったものです。

当初公表された総数と比べると4327件減少しました。しかし、依然として児童虐待件数は高いレベルにあることに変わりはありません。児童虐待の類型別件数は下表のとおりでした。

(出典 厚労省「令和4年度福祉行政報告例(児童福祉関係の一部)の概況」3ページ)