文科省「科学技術指標2024」、日本は大学予算を抑制していますが、諸外国は大幅に増やしています
難しそうな話題で恐縮しております。しかし、このテーマは、子ども・若者の将来の人生や幸せの問題につながる可能性があり、簡潔にとりあげることにしました。
文科省には、科学技術・学術政策研究所という研究所が置かれています。科学技術政策について調査や研究を行う機関として1988年に発足しました(紹介は≪コチラ≫です。)。その研究所は、「科学技術指標」という報告書を毎年公表しています。その報告書は、日本の企業や大学での科学技術の研究費や人材等の状況を約160の指標を使って明らかにするというものです。
科学技術・学術政策研究所は、2024年8月9日、「科学技術指標2024」を公表しました(報告書は≪コチラ≫です。)。その55ページには、「大学部門の研究開発費」という項目があります。2000年を1とした場合の各国の大学での研究開発費(名目額)をまとめています。2022年の日本は1.0で、伸びていないことがわかります。貨幣価値の下落を考慮すれば、実質的には低下していると思われます。これに対し、2022年の米国3.1、ドイツ2.6、フランス2.0です。また、2021年の中国は28.4、2022年の韓国は6.6と著しい伸びを示しています。企業の研究開発費も日本は他国に比べて低調です。日本の研究開発には十分に投資がなされておらず、これまでストックしていた蓄えを絞り出してしまい、蓄えが底をつきつつあるというところに来ているとの指摘もあります。