こども家庭庁公表:2023年に子どもの施設で起きた事故は2772件で過去最多

こども家庭庁は、2024年8月2日、全国の教育・保育施設等で発生した死亡事故や治療期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等で、2023年1~12月に国宛に報告があった件数を公表しました。施設には、認定こども園、幼稚園、保育園、小規模保育事業、一時預かり事業、病児保育事業、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)その他が含まれ、学校は除かれています(統計は≪コチラ≫です。前年に関する記事は≪コチラ≫です。)。

2023年中に報告された事故は2772件にのぼり、前年からは311件増えて、報告が義務化された2016年以降では最多となりました。負傷等の報告は2763件(対前年307件の増)、そのうち2189件が骨折によるものでした(対前年292件の増)。負傷等の事故の発生場所は施設内が2481件で(対前年299件の増)、そのうち1387件は施設内の室内で発生しました(対前年131件の増)。死亡の報告は9件でした(対前年4件の増)。

国は、2016年3月、事故が発生しやすい場面ごとの注意事項や、事故が発生した場合の具体的な対応策について、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」を作成して注意を促しています(施設・事業者向けは≪コチラ≫、自治体向けは≪コチラ≫、事故発生時の対応は≪コチラ≫です。)。

さらに、2016年10月には午睡中の窒息リスクの除去の方法について、2017年6月にはプール活動や水遊びをする場合の監視・指導体制の確保について、2019年6月には未就学児が集団で移動するときの経路の交通安全について、2020年2月には子どもの誤嚥による窒息事故の予防について、2022年4月には園外活動時における園児見落としの発生防止について注意喚起をしました。また、2021年8月には送迎用バスの車中に置き去りにされた園児が熱中症で死亡した事例を受けて緊急点検等を行い、所在確認や安全装置の装備の義務づけなどを策定しました。子どものための施設で、大勢の子どもに重篤な事故の被害が発生していることを重視し、真剣に取り組む必要があります。