警察庁公表:児童虐待の被害者の84.4%が誰にも相談しなかった!

警察庁は、2024年4月4日、「令和5年度犯罪被害類型別等調査」の結果を公表しました(報告書は、≪コチラ≫をクリックして下さい。)。この調査は、犯罪被害者等基本法が定めた第4次犯罪被害者等基本計画(2021年~25年度の5年間にわたる計画)に基づき、犯罪被害者が置かれている状況の把握を目的にして行われました。取り上げられた犯罪被害は、財産被害、配偶者暴力、ストーカー被害、児童虐待、性的な被害、交通事故、暴力被害の7類型です。

児童虐待では、回答時20歳以上の被害者109人が回答しています。それによると、過去30日間に身体上の問題を感じたのは38.5%、過去30日間に精神的な問題や悩みを感じたのは45.9%、直近1年間で仕事や日常生活を行えなかったと感じた日数は50日との結果でした。児童虐待が心身に不調をもたらしている可能性が読みとれます。

警察への通報率は3.7%、被害にあったときに誰にも相談しなかったのは84.4%でした。通報・相談しなかった主な理由は低年齢のためでした。警察庁は、児童虐待や性犯罪・性暴力などの被害にあったにもかかわらず、自ら声をあげることが困難なために被害が潜在化しやすい犯罪被害者に対して支援を強化する必要があるとしています。