こども家庭庁公表:2022年度の児童虐待相談対応件数は21万9170件で過去最多

こども家庭庁は、2023年9月7日、全国232か所の児童相談所が2022年4月1日~2023年3月31日にかけて相談を受けて対応した虐待相談対応件数(速報値)を公表しました。

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/a176de99-390e-4065-a7fb-fe569ab2450c/12d7a89f/20230401_policies_jidougyakutai_19.pdf

公表結果によりますと、2022年度の総数は21万9170件で、前年度より1万1510件増え、1990年度の集計開始以来32年連続で最多を更新しました。

内容別では、面前DVを含む心理的虐待が12万9484件(前年度比4760件の増)、身体的虐待が5万1679件(同2438件の増)、ネグレクトが3万5556件(同4108件の増)、性的虐待が2451件(同204件の増)でした。相談の経路別では、警察からの通告によるものが11万2965件で51.5%を占め、次いで近隣知人からのものが2万4174件で11.0%を占めました。夫婦げんかやDVの通報を受けて警察が現場に急行した際、夫婦げんか等の状況を子どもが目の前で見聞きしていたと現認したときは面前DVによる心理的虐待を受けたと判断して、その子どもを児相に通告するケースが増えています。

※ 面前DV(ドメスティックバイオレンス)とは   子どもの面前で夫婦げんかをし、配偶者や家族に暴力をふるったり暴言を言ったりすることをいいます。子どもは、身体的虐待を直接受けていなくとも、夫婦げんかや配偶者らへの暴力・暴言の場面を目の前で見聞きすることによって、不安をおぼえ不眠におちいり「自分は何もできない」という無力感や罪悪感をかかえ身体的・精神的変調をきたします。面前DVは子どもにトラウマを残すものであり、心理的虐待に当たります。子どもの見ている前で夫婦げんかをしたり、配偶者に暴力暴言を加えたりすることは虐待と心得ましょう。