厚労省指針:宗教虐待への対応

厚生労働省は、12月27日、宗教を背景とした児童虐待への対応指針をQ&Aの形でとりまとめ、全国の自治体へ通知しました。通知では、信仰に基づく子どもへの行為が身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトのどれに該当するかを例示し、その上で、必要な場合には児相がためらわずに一時保護するよう求めています。これまで児相は宗教を背景とする虐待への対応には消極的でしたが、統一協会による宗教二世への虐待対応からこの度の指針となりました。この指針を受けて児相には積極的な関与が求められますが、同時に宗教についての専門知識を習得することも必要となります。示された主な具体的事例は次のとおりです。

≪身体的虐待≫

  • 宗教活動への参加を体罰で強制。
  • 宗教行事中に話を聞いていないなどの理由でたたく。
  • 深夜まで宗教活動への参加を強制。

≪心理的虐待≫

  • 交友や結婚の制限、友人らを「敵」「サタン」と称する。
  • 他者の前で宗教信仰を宣言するよう強制。
  • 教義を理由に進学・就職を認めない。

≪性的虐待≫

  • 教育と称し年齢に見合わない性的表現を含む資料を見せる。
  • 宗教団体職員らに性経験を話すよう強制。

≪ネグレクト≫

  • 信仰による高額寄付などで適切な住環境、食事を提供しない。
  • 輸血など適切な治療行為を受けさせない。
  • 宗教活動への参加のために養育を怠る。