非課税の子育て世代では物価上昇で9割超が十分な食料買えず。国際NGOの調査から

国際NGO「公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン」(本部:東京都千代田区)は、子どものいる非課税世帯などに食料品や文具などを支援する「子どもの食 応援ボックス」の事業を実施しています。同法人は、2025年「子どもの食 応援ボックス」の申込者を対象として、2025年6月2日~18日の申込期間に合わせて、子どもの貧困に関するアンケート調査を行いました。7856世帯から有効回答がありました(報告書は≪コチラ≫です。)。同法人は2024年12月にも同様の調査をしました。

そもそも「子どもの食 応援ボックス」の申込理由の9割が「物価上昇による食費の値上がりにより、十分な食料を買うお金がない」でした。物価上昇により、2024年と比べて食事の摂取量や品目など子どもの食生活へのマイナスの影響について「大いに影響があった」「やや影響があった」が合わせて88.9%、子どもの生活全般へのマイナスの影響も合わせて83.6%でした。子どもの食生活へのマイナスの影響で「水などで空腹をまぎらわせている・まぎらわせることが増えた」という回答が9.4%あり、生きることそのものが脅かされている子どもがいるとしています。

2024 年調査と比較すると、長期休暇中の昼食が「あまりとれていない」「とれていない」と回答した割合が8.8ポイント、夕食が「あまりとれていない」「とれていない」と回答した割合が9.2ポイント増加しました。このように、朝食・昼食・夕食すべてで十分な量の食事がとれていないとする回答がありました。2024年に比べすべての食事で子どもの食事の摂取量が減少し、栄養状況が悪化していると懸念されます。米、魚・肉の摂取頻度・量も減少する傾向があり、十分な量の食事がとれないことで体調不良や体重の減少、集中力の低下も明らかになったとしています。

世帯の経済状況を尋ねたところ、手取り月収14.5万円、1か月あたりの消費支出は16万円、食費は4.3万円が平均額でした。2人世帯から6人世帯の1か月の消費支出の平均額が13.4万円から21.8万円、食費の平均額が3.2万円から6.8万円で、切り詰めた様子がうかがえる結果だったとしています。

給食以外で十分な量の米を「あまり食べていない」「ほとんど食べていない」という回答があわせて43.3%でした。その理由の 9 割以上が「経済的な理由」であり、そのうち「米の高騰や物価上昇に対して賃金が上がっていないため」という回答が8割を占めました。また、2024年と比べて米を摂取する頻度や量が「減った」「やや減った」世帯は合わせて76.2%でした。米の購入のために「貯金を切り崩して工面している」世帯が25.8%、「費用を工面できず借り入れをして購入している」世帯が 8.9%でした。