長野県公表:長野県内の2024年度の児童虐待相談対応件数は対前年度比59件増の2833件で、過去最多でした
長野県は、2025年6月30日、2024年度における県内5ヶ所の児童相談所の児童虐待相談対応件数を公表しました。児童虐待相談対応件数とは、児童相談所が相談を受け、援助方針会議の結果により指導や措置を行った件数です(プレスリリースは≪コチラ≫、前年度の関連記事は≪コチラ≫です。)。
2024年度の児童虐待対応相談件数は2833件でした。前年度は2774件でしたので、対前年度比59件、率にして2.1%増えました。虐待の種別では、心理的虐待1717件、身体的虐待627件、ネグレクト463件、性的虐待26件でした。1990年度に統計をとり始めて以降、最多だった2020年度を超え、過去最多となりました。心理的虐待が最も多い理由として、「児童がいる家庭での配偶者間やきょうだい児童に対する暴力事案(面前DV)について、警察からの通告が多いこと等が考えられます。」としています。
県内の児童虐待相談対応件数は、依然として高止まりしています。その理由については、「①児童虐待に関する認識が高まり、関係機関や県民が虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、速やかに児童相談所へ通告するという意識が高くなっていること ②家庭の養育力の低下や家庭の経済状況等により、子育てが孤立化し、その負担感などが虐待という形につながりやすいこと等が考えられます。」としています。このコメントは、前年度と一字一句同じ内容です。
2833件について児相はどのような対応をとったでしょうか。施設入所は64件、里親等委託は18件、面接指導が2658件でした。「児童を家庭から離す必要が生じる前に、市町村等地域の関係機関が連携して子どもやその保護者にきめ細や かに関わり支援する重要性がさらに増しています。」としています。