里親支援センターが2024年4月1日からスタートしました

里親支援センターが2024年4月1日から始まりました。長野県内では、上田市を中心として、うえだ里親支援センターが同日付で開設されました。松本地域でも本年7月ころの開設を目指す動きがあります。

里親支援センターは、2022年の児童福祉法の改正により、里親支援事業(フォスタリング業務)を行う児童福祉施設として新設されました(同法7条、44条の3第1項)。こども家庭庁は、2024年3月29日、「里親支援センター及びその業務に関するガイドライン」を作り、これを都道府県に通知しました(通知文書とガイドラインは≪コチラ≫です。)。

里親支援センターは里親への支援を包括的に行います。里親制度の普及促進、里親の募集や登録、里親希望者の適性評価、家庭環境や居住環境の把握、里親研修、里親との信頼関係の構築、子どもと里親のマッチング、里親による養育への支援、定期的な家庭訪問、子どもの自立支援、実親との関係支援、相談やアドバイスなどです。専門性や献身性、調整能力などが必要です。いったんマッチングした里親の委託関係が解除されると子どもがダメージを受けるので、支援には温かな配慮が欠かせません。

里親制度には課題が多数あります。たとえば、里親制度の社会的認知度が低く登録里親が少ない・里親の希望する条件(性別、年齢、養子可能性など)に合わない・里親と子どもの信頼関係の構築が難しい・里親委託に対する実親の同意を得ることが難しい・里親にも休暇がほしい。里親支援センターはこれらの課題を克服していかなければなりません。もっとも重い課題は一般社会の里親制度に対する理解や関心の低さです(里親等委託率についての関連記事は≪コチラ≫です。)。欧米と違いわが国では里親の伝統や意識に乏しいことが要因です。子どもが愛着のある家庭的な環境で養育されることの重要性を訴えて里親制度を周知し、里親を広く募集することが不可欠です。