警察庁公表:2024年。中学生以下の水難者は191人、死者・行方不明者は28人

近ごろ、子どもが水の事故で死傷したという痛ましい報道を耳目にします。水と遊ぶことは子どもには楽しいことです。水辺は涼をとるのに心地よく、猛暑の季節を迎えて子どもたちが水辺に接近する機会も増えています。警察庁は、2025年6月19日、「令和6年における水難の概況等」という報告を公表しました(報告は≪コチラ≫です。)。

全国の2024年の水難は、発生件数1535件(前年対比+143件)、水難者1753人(前年対比+86人)、うち死者・行方不明者816人(前年対比+73人)でした。過去10年間の水難発生状況をみると、年ごとに変動はありますが、近年は増加傾向にあり、2024年は発生件数、水難者とも過去10年間で最多でした。都道府県別の水難発生状況をみると、最多は沖縄県の128件、次いで東京都の107件、岐阜県の68件でした。逆に少ないのは山梨県の4件、栃木県の5件、奈良県の7件でした。長野県は19件で32位でした。

そのうち中学生以下に限ると、発生件数129件(前年対比+36件)、水難者191人(前年対比+14人)、うち死者・行方不明者28人(前年対比+1人)でした。中学生以下の水難者191人の内訳は、未就学児童33人、小学生97人、中学生61人でした。中学生以下の死者・行方不明者28人を発生場所別にみると、半数以上の18人が河川でした。行為別にみると最も多いのは水遊びの15人でした。

水難の防止対策も掲げています。【危険箇所の把握】魚とり・釣りでは転落のおそれがある場所、水泳や水遊びでは水(海)藻が繁茂している場所、水温の変化や水流の激しい場所、深みのある場所等の危険箇所を事前に把握し近づかない。子どもを近づけない。【的確な状況判断】事前に気象情報を把握し、風雨落雷の天候不良や上流で雨が降っているなど河川の増水のおそれが高いときは、釣りや水泳、中洲や河原でのバーベキューなどをしない。海では、天候の変化や波の高さに注意し、海岸の地形や沖合で台風が発生しているなどにより、離岸流や高波が発生するおそれが高いときは海に入らない。【ライフジャケットの活用】釣りやボート等で水辺に行くときは必ずライフジャケットを着用する。【遊泳時の安全確保】掲示板、標識により「危険区域」の標示ある区域に入らない。遊泳区域以外の水域で遊泳しない。遊泳中、他人に抱きつくなどの危険な行為をしない。遊泳に当たっては水深、水流を考慮する。海水浴場として開設されていない場所は、監視員の不在など安全が確保されていないため、開設の有無、監視員の存在を確認する。【保護者等の付添い】子ども一人では水遊びをさせず、幼児や泳げない学童にはライフジャケットを着用させ、親権者らが付き添い目を離さない。