親子関係形成支援事業。市町村の実施率は全国9.9%、長野県内15.6%でした

親子関係形成支援事業が2022年の児童福祉法の改正により導入され、2024年4月1日から施行されました(児童福祉法6条の3第21項)。市町村に実施の努力義務が課せられました。実施主体は市町村を基本とし、適切と認められる民間に委託することもできます。

この事業は、健全な親子関係の形成を支援する事業です。こども家庭庁の都道府県宛の通知・実施要綱には次のように書かれています(通知は≪コチラ≫です。)。「児童との関わり方や子育てに悩み・不安を抱えた保護者が、親子の関係性や発達に応じた児童との関わり方等の知識や方法を身につけるため、当該保護者に対して、講義、グループワーク、個別のロールプレイ等を内容としたペアレント・トレーニング等を実施するとともに、同じ悩みや不安を抱える保護者同士が相互に悩みや不安を相談・共有し、情報の交換ができる場を設ける」。

支援の対象者も書かれています。「親子の関係性や児童の関わり方等に不安を抱えている児童を養育する家庭で、次に掲げるような状態にある者を対象とする。①保護者に監護させることが不適当であると認められる児童及びその保護者若しくはそれに該当するおそれのある児童及び保護者、②保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童及び保護者若しくはそれに該当するおそれのある児童及び保護者、③乳幼児健康診査や乳児家庭全戸訪問事業の実施、学校等関係機関からの情報提供、その他により市町村が当該支援を必要と認める児童及びその保護者」。

具体的には、10名程度のグループワークが想定されています。プログラムは5~8回(各回90分~120分程度)を目安に、同じ受講者を対象として、4回以上の連続講座として実施するものとしています。未就園児のいる家庭を対象として実施する場合は、別室で保育士等による預かり保育の実施に努めるよう求めています。実施にあたっての課題には、適切な実施者を募ること、対象となる受講者をひきつける施策が考えられます。

2024年度における実施市町村数と実施率が都道府県別に公表されています。それによると、長野県は、県内77自治体のうちの12自治体が実施しており、実施率は15.6%でした。全国では、1741自治体のうちの173自治体が実施しており、平均実施率は9.9%でした(全国状況は≪コチラ≫です。)。