経産省:2025年12月25日から、乳幼児のおもちゃに新しい規制「子供PSCマーク」が導入されます

子どもが遊ぶおもちゃが本当に安全なのか、心配になったことはありませんか。乳幼児期の子どもは、好奇心や探究心が旺盛なのに、危険なことを知りません。子どもが、いろいろな物を口に入れたり、手や足、頭を狭いところに突っこんだり、物を強くたたいたりするのは当たり前です。そのため、おもちゃの小さな部品を誤飲したり、おもちゃに指を挟んでしまったり、とがった部分を体に突き刺したりする事故がしばしば発生し、命にかかわる深刻なケースもあります。特に、命にかかわるおそれのある誤飲事故、窒息事故の約9割が3歳未満の乳幼児です(消費者安全調査委員会による保護者302人への調査=2017年)。おもちゃは、子どもにとって安全で安心できるものでなければなりません。

これまでは、14歳未満の子ども向けに、「安全面について注意深く作られたおもちゃ」として推奨する「STマーク」がありました(ST=Safety Toy)。「STマーク」は、おもちゃメーカーなどが加入する一般社団法人日本玩具協会の自主規制として、1971年に創設されました。

しかし、おもちゃなどの子ども用の製品の安全を確保する規制の枠組みを法律で作る必要がありました。そこで、小さな子どもが使用する製品の安全を確保し、事故を未然に防ぐため、消費生活製品安全法が改正されて「子供用特定製品」が設けられ、「乳幼児用玩具(3歳未満向け玩具)」と「乳幼児用ベッド」が指定されました。その改正法の施行日が2025年12月25日に迫ってきました。

その結果、2025年12月25日から、乳幼児用玩具(3歳未満向け玩具)に対する新たな規制が始まります。3歳未満の乳幼児向けのおもちゃを取り扱う製造・輸入事業者は、国が定める安全基準への適合、対象年齢や使用上の注意事項などの警告表示が義務づけられます。これらの基準を満たした証として「子供PSCマーク」が導入され、販売事業者においては「子供PSCマーク」の貼られていない3歳未満向けのおもちゃを販売・陳列することができなくなります(PSC=Product Safety of Consumer Products)。ただし、規制開始以前に製造・輸入された製品は、「子供PSCマーク」がなくても販売できることとなっています(政府広報は≪コチラ≫、経産省の資料は≪コチラ≫です。)。 経産省は、事故が発生したときにはメーカーや販売店に事故報告することを推奨しています。「自分が目を離していたせい」などと考えて連絡しないケースもあるようですが、報告がなければ事故防止対策につながりません。事故がきちんと報告されることによって、類似の事故を防ぐためのメーカーでの対策や、場合によっては製品の回収など、次の事故の未然防止につながると説明しています。