消費者庁・消費者安全調査委員会公表:子どもの転落事故防止のため「後悔しないために今すぐできる対策を!」

住宅の高層化がすすんでいます。2階建て住宅も幼児にとっては高層です。近年、子どもが住居の窓やベランダから転落し死傷する事故が多発しています。消費者庁の消費者安全調査委員会は、2025年3月27日、転落事故防止策として窓やベランダの点検を呼びかけるメッセージ「後悔しないために今すぐできる対策を!」を出しました。報告書をまとめる前に、こうした声明を出すのは異例です(メッセージは≪コチラ≫、参考資料は≪コチラA≫≪コチラB≫。)。

転落事故には特徴があります。【時期】窓を開けたり、ベランダに出たりする機会が増える夏場を中心として5月~10月にかけて転落事故が増加します。冬期は比較的少ない。【年齢】3~4歳の幼児の転落事故が多数見られます。【階数】2階以上の建物で転落事故が発生しています。階層が上がると重症になりやすいものの、2階であっても死亡事故は発生しており、入院を必要とする中等症以上の事故も多く発生しています。【状況】窓が開いた部屋で子どもだけで遊んでいて発生する事故が多く見られます。

転落事故防止のポイントはここです。①窓やベランダの手すり付近に足場になるものを置かないようにしましょう。特にエアコンの室外機は危険です。室外機は手すりから離して設置しましょう。窓の近くにソファ、ベッド、棚などの家具を置いていませんか。ベランダに椅子やテーブル、使わなくなったおもちゃ、ゴミ箱、プランター、水槽等は置いていませんか。②窓、網戸、ベランダの手すり等に劣化がないか定期的に点検しましょう。網戸が外れやすくなっていたり、網がはがれそうになったりしてはいませんか。1歳の体重でも網戸に寄りかかると、外れて転落することがあります。③子どもが勝手に窓を開けないよう窓や網戸には子どもの手の届かない位置に補助錠を付けましょう。

子どもの見守り・子どもの教育が大切です。①子どもだけを家に残して外出しないようにしましょう。ちょっとそこまでという気持ちで、寝ている子どもを家に残して家を離れてはいませんか。②窓を開けた部屋やベランダでは子どもだけで遊ばせないようにしましょう。子どもは、外から聞こえてくる電車の音、家族や友だちの声、犬の鳴き声、自動車が駐車する音に反応して走り出し、手すりなどをよじ登って転落することがあります。ベランダが子どもの遊び場になっていませんか。③窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせないようにしましょう。