法務省:「法定養育費」は子ども1人月額2万円と決定。2025年4月1日以降の離婚に適用
「法定養育費制度」が2024年5月の民法改正により新設されました(民法766条の3)。これは、離婚した父母が離婚の際に養育費の取り決めをしていないとしても、法律に基づいた一定額の養育費を相手方に請求できるという制度です。改正民法の施行日は、2026年4月1日です(関連記事は≪コチラ≫です。)。
これまでは、離婚した父母間で取り決めがなければ養育費を請求することができませんでした。その結果、父母間で取り決めがないため、実際には養育費を受け取れないケースがたくさんありました。しかし、これではひとり親世帯の子どもの生活が成り立たない可能性があります。そこで、「法定養育費制度」が導入され、具体的な金額は法務省令で定めることとされました。
平口法相は、2025年11月28日の記者会見で、「法定養育費」の金額を子ども1人あたり月額2万円に決めたことを発表しました。年内にも法務省令を制定し、来年4月1日の施行にあわせて導入されます。
法務省は2万円の案で9月~10月にパブリックコメントを実施しました。363件の意見が寄せられ、物価上昇などを理由に2万円は少なすぎる、3万~5万円への増額を求めるとの声が目立ちました。これに対し、法務省は、法定養育費は取り決めが成立するまでの間の暫定的な仕組みであり、適切な金額は各家庭の個別事情を踏まえて父母間で取り決めるべきであるとして、原案の1人月額2万円を維持しました。施行日の来年4月1日以降に成立した離婚のみが対象となります。
