新美妙美さんによる公開研修会「発達障害と養育者支援」のご報告

2023年6月17日(土)午後2時30分~4時にかけて、総会に先立ち公開研修会を開催しました。会場での参加者は24名、ZOOMでの参加は32名でした。

講師 新美妙美さん(小児科医師、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室。当会運営委員)

テーマ 発達障害と養育者支援

会場 松本市立女鳥羽中学校・岡田小学校 あさひ分校の教室

新美さんは「発達障害児の支援の7割は保護者支援」だと言います。小児科医師として21年間、発達障害や心身症・不登校のお子さんの診療を担ってきた実感なのです。

お子さんにも親御さんにもさまざまな特性、個性の方がいるので、いろいろなパターンの支援を用意するのが良く、そのためには選択肢を広げ、決めつけないことが肝心です。ところが、保護者に負担感を感じさせるものが二つあり、それは「しつけ」と「(学習指導要領等によって管理された)学校との付き合い方」だというのです。しつけは、画一的・固定的にはめ込むのではなく、大人になるまでに自律できればいいくらいに弾力的に捉えるのがいいでしょう。公立小中学校はどこも平均的で、これを押しつけることが良いことか是非先生方に考えてほしい(もっとも、文科省から画一的な管理教育を強く指示されているので、個々の先生方の尽力にも限界がありそうですが。)。そういう中で、保護者を責めるのではなく、関係者が信頼関係を築けるようにすることが重要で、それを熱心に追求していきましょう。

自閉タイプの子育てで使えるノウハウ・ツールとして「視覚支援」があります。言葉だけで説明するだけではなく、絵やイラストを使います。絵やイラストで示すことによって子どもの理解が飛躍的に進んだ事例がいくつも紹介されました。

新美さんは多数の事例を挙げながらお話をされるのですが時間が足りなくなりました。発達障害と正しく向き合うために、新美さんが上梓した下記の書物をお買い求めのうえ日々の生活にご活用いただければと思います(上條剛記)。

書名 「かがやけ!なないろキッズ 発達障害すくすくサポートアドバイス」

著者 新美妙美

発行 信濃毎日新聞社

価格 1600円+税

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