文科省:心の病いで病気休職した教育職員は7087人、病気休暇も含めると1万3310人
文科省は、2025年12月22日、「令和6年度 公立学校教職員の人事行政状況調査について」の調査結果を公表しました。調査は、2024年度を中心に、都道府県・指定都市の67教育委員会を対象に実施されました。調査項目は、精神疾患による病気休職者数、懲戒処分状況などです(概要版は≪コチラ≫、前年の記事は≪コチラ≫です。)。
【精神疾患による病気休職者】全国の公立の教育職員は、2024年5月1日現在、92万2776人を数えます。そのうち、うつ病などの精神疾患による病気休職者(90日以上休む場合)は7087人となり、全教育職員の0.77%に達しました。前年度の7119人から32人減少したものの、水準は高いままです。内訳は、小学校で3458人、中学校で1639人、高校で1006人、特別支援学校で924人などでした。このうち6割以上が女性で(4264人)、年代別では30代~40代の割合が高率でした。休職した7087人のうち約2割が退職しました。より短い病気休暇(1ヶ月以上のもの)の取得者と合わせると1万3310人(前年度から265人増)で過去最多でした。
【精神疾患による病気休職の理由】精神疾患による病気休職の理由を調べました。子どもへの指導に関すること(26.5%。ここには、いじめや不登校、多様な背景をもつ子どもへの対応などが想定されます。)、職場の対人関係(23.2%)、事務的な業務に関すること(12.7%)が上位を占めました。地域住民・保護者等との対人関係は6.1%と高くありませんが、文科省の担当者は「(保護者対応などは)ストレスという点では見過ごせない。指導や事務などの結果、長時間労働につながっている可能性も否定できない」としています。なお、長時間勤務は0.5%という結果でした。
【懲戒処分と訓告等】性犯罪や性暴力によって懲戒処分・訓告等を受けた公立学校の教員は281人にのぼりました。前年度の320人からは減少しましたが、過去5年間では2番目に多い結果でした。このうち48%(135人)は、自身の勤務校の生徒らを対象としていました。これらも含めて、子どもが被害者だったケースは63.3%(178人)にのぼりました。処分された教員の勤務先は、中学校が最も多く102人で、高校90人、小学校75人と続きました。性別は男性が276人、女性が5人でした。
