文科省:公立学校の教員の採用倍率は2.9倍。初めて3倍を割り込み、過去最低

文科省は、都道府県・指定都市の教育委員会が実施した公立学校の教員採用試験の実施状況について、1979年以降、毎年度調査を行っています。文科省は、都道府県教育委員会など(計68)が2024年度に実施した2025年度採用選考の実施状況を調査し、2025年12月25日公表しました(概要は≪コチラ≫です。)。

2024年度に実施された公立学校の教員採用試験で、小学校・中学校・高校・特別支援学校・養護教諭・栄養教諭の競争率(採用倍率。受験者数÷採用者数)は2.9倍で、前年度の3.2倍から低下し、過去最低となりました。受験者数は前の年度から7059人減少して過去最少の10万9123人、採用者数は954人増えて1986年以降では最多の3万7375人となりました。受験者数は12年連続で減少しました。試験を実施した68の自治体のうち47自治体で倍率が低下しました。学校種別では、小学校が2.0倍(前年度2.2倍)、中学校が3.6倍(前年度4.0倍)、高校が3.8倍(前年度4.4倍)と、いずれも過去最低でした。

文科省は、採用倍率の低下の原因を次のように分析しています。教師の年齢構成に起因して大量退職が続いており、採用者数が増加していることがひとつです。それにともない、臨時的任用教員や非常勤講師などを続けながら教員採用試験に再チャレンジしてきた層が正規採用されることによって、既卒の受験者が減ってきていることがもうひとつです。また、新規学卒者の受験者数が減少傾向にあり、民間企業や他の職種の公務員との人材獲得競争の中で、新規学卒者の確保に努める必要があるとしています。

文科省は、意欲ある教師志願者を確保するため、教員採用選考の早期化、複数回実施や社会人選考などの工夫改善を引き続き教育委員会に要請するとしています。また、教師が「働きがい」と「働きやすさ」を共に実感できる環境整備を進めるため、給特法に基づく「指針」に即した業務の精選等の学校における働き方改革の更なる加速化、中学校35人学級等を通じた学校の指導・運営体制の充実、教師の育成支援を一体的、総合的に推進するとしています。さらに、教師の質向上と入職経路の拡幅の観点から、免許制度の改革についても検討中とのことです。