文科省公表:“男子は理数系・女子は文系”は思い込みも影響か、学力テストの分析から
文科省は、2025年7月31日、全国の小6と中3の全員を対象として本年4月14~17日に、国語、算数・数学、理科の3教科で実施した2025年度の全国学力・学習状況調査(いわゆる全国学力テスト)の分析結果を公表しました(概要版は≪コチラ≫、関連記事は≪コチラ≫です。)。
文科省は、今回初めて男女別の正答率を分析しました。小中ともに国語の正答率は、女子が男子より5ポイント以上も上回っていました。その一方で、算数・数学と理科の正答率は、小中ともに男女で大きな差はありませんでした。ところが、教科ごとの興味、関心、理解度を質問したアンケートでは、算数・数学と理科を「好き」「得意」「よく分かる」と回答した割合は、小中とも男子より女子の方が低い結果となりました。理数の成績は違わないのに、なぜ男女で意識が違うのでしょうか。文科省は、男子は理数系・女子は文系という社会の刷り込みが影響しているのでは、生物学的なジェンダー差と親や学校社会など周囲のアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)の複合した結果が男女差に現れた、などと分析しています。イメージから解放する必要がある、とも話しています。
この調査では、子どものウェルビーイングについても質問しています。「自分には、よいところがあると思う」と回答した子どもは、小学校で87.0%、中学校で86.2%、いずれも前年よりも微増しました。「先生は、自分のよいところを認めてくれていると思う」と回答した子どもは、小学校で92.2%、中学校で92.1%、これも前年よりも微増しました。また、「普段の生活の中で、幸せな気持ちになることはどれくらいあるか」の質問に肯定的に回答した子どもは、小学校で92.9%、中学校で91.6%、これも前年より微増しました。