文化庁の国語世論調査:SNSが言葉に与える影響の意識調査をしました
文化庁は、国語施策の立案に資するとともに国民の関心を喚起するため、1995年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施しています。文化庁は、2025年9月26日、2024年度の国語世論調査の結果を公表しました。調査は、文化庁国語課が一般社団法人中央調査社に委託し、2025年1月14日~3月4日、全国の16歳以上の個人3498人から郵送で回答を得ました。今回は、初めて、SNSと言葉をテーマにして意識調査を行いました(結果は≪コチラ≫です。)。
SNSの普及は文字や語句、言葉の使い方に影響があると思うかを、全員に質問しました。「影響があると思う」は89.3%、「影響はないと思う」は9.1%でした。
「影響があると思う」と答えた人(全体の89.3%)に、どのような影響があると思うかを、複数回答可で質問しました。「略語が増える」が80.1%、「言葉の新しい使い方や新しい言葉が増える」が76.9%、「仲間内だけで通じる言葉が増える」が45.1%、「絵文字等の使用が増える」が35.9%、「外国語や外来語が増える」が30.9%、「?や!等の記号の使用が増える」が27.7%でした。
「影響があると思う」と答えた人(全体の89.3%)に、言葉使いにどのような影響があると思うか、を複数回答可で質問しました。「短い言葉でのやり取りが増える」が73.1%、「十分に吟味されないまま使われる言葉が増える」が67.2%、「世代間の言葉の使い方の違いが大きくなる」が64.4%、「相手への思いやりに欠けた言葉遣いが増える」が48.9%、「年齢や立場などを気にしない言葉遣いが増える」が 43.2%、「書くときも話し言葉のような言葉遣いが増える」が42.1%でした。
SNSによるコミュニケーションの質を高めていく上での課題を、複数回答可で全員に質問しました。「正確かどうか疑わしい情報がよく見られる」が71.0%、「人を傷つけたり挑発したりするような言葉がよく使われている」が62.7%、「相手の立場を考えないやり取りがよく行われている」が57.3%、「情報や意見に対する過剰な反応がよく見られる」が56.2%、「深く考えずに発信された情報がよく見られる」が55.3%、「誤解を招くような言葉がよく使われている」が49.3%、「考えの異なる相手への失礼な言葉遣いがよく見られる」が47.8%でした。
SNSで気をつけたいと思う点を、複数回答可で全員に質問しました。「人を傷つけたり挑発したりするような言葉を使わない」が75.7%、「誤解を招くような言葉を使わない」が67.3%、「発信する前に十分に内容を吟味する」が62.9%、「受け取った情報が正確かどうか確認する」が60.6%、「相手の立場に立ってやり取りする」が58.9%という結果でした。