子ども食堂に参加する子どもと参加しない子どもの意向を調べました

NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」という名称の法人が東京都渋谷区にあります。2018年に設立され、2021年5月に認定NPO法人となりました。子ども食堂の中間支援団体の支援や企業・団体との協働により子ども食堂を強化支援することなどを目的としています。同法人は、2025年4月15日、「こども食堂の参加者・非参加者調査」の結果を公表しました。調査は、2024年10月、全国の小1~中3の子どもと同居している保護者約23万人に調査を依頼し、子どもと一緒に回答することの同意を得て、2024年4月以降に子ども食堂に行ったことのある子ども、行ったことのない子ども各1000人(合計2000人)に達するまで実施しました(概要版は≪コチラ≫です。)。

〈学校で出会った友だち〉や〈地域の人〉で「悩みを相談できる人がいるか」「困った時は助けてくれる人がいるか」を聞きました。「そう思う」「どちらかといえば、そう思う」の回答数を合わせて「思う」として比較しました。すると、〈学校で出会った友だち〉には、参加者・非参加者でほぼ差がありませんでした。ところが、〈地域の人〉で「悩みを相談できる人がいるか」の質問に、参加者の74.6%が「思う」と回答しました(非参加者は62.6%)。「困った時は助けてくれる人がいるか」の質問には、参加者の79.4%が「思う」と回答しました(非参加者69.3%)。いずれも参加者の方が高い結果でした。「だれとでもすぐに仲良くなれるか」を質問しました。参加者の71.0%が「思う」と回答し、非参加者(63.4%)より高い結果でした。

〈自分の部屋〉〈家庭〉〈学校〉〈地域〉などで居場所(ほっとできる場所、安心できる場所、ここに居たいと感じる場所)と感じるかを聞きました。「そう思う」「どちらかといえば、そう思う」の回答を合算し「思う」として比較すると、〈自分の部屋〉と〈学校〉については、参加者・非参加者でほぼ差がありませんでした。これに対し、〈家庭〉については、参加者が75.1%、非参加者は82.7%が「思う」と回答し、参加者の方が低い結果でした。さらに「そう思う」だけを比較すると、参加者39.1%に対して非参加者は56.8%と大きな差がありました。他方、〈地域〉については、参加者が58.3%、非参加者は44.7%が「思う」と回答し、参加者の方が高い結果でした。

参加による効果を捉えるため、参加者だけを対象に参加頻度(週1回以上、月2~3回、月1回、2~3カ月に1回、半年に1回)によって変化があるか調べました。子ども食堂に通い始めてからの変化を問う質問では、「笑顔になること」「家族との会話」「友だち」「大人との会話」のすべての項目で、参加頻度が高いほど増加する傾向がありました。また、「地域の人に悩みを相談できる人がいるか」「地域を居場所だと感じるか」「だれとでもすぐに仲良くなれるか」の質問でも、参加頻度が高いほど肯定的回答が多く、地域への信頼や愛着、社交性などが強まっていることが示されました。