夏季休業中の小学生の居場所確保に特別に取り組んでいる自治体は4割弱でした

みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社は、2025年3月、「小学校の長期休業中におけるこどもの居場所に関する調査研究 報告書」を公表しました。この調査は、こども家庭庁からの助成を受けて実施されました(報告書は≪コチラ≫です。)。

近時、放課後児童クラブの待機児童が顕著に増加していることが問題になっています。こども家庭庁と文科省が2024年12月23日付で取りまとめた「放課後児童対策パッケージ2025」は、とりわけ長期休業前に多くの待機児童が発生するという時期の偏りを指摘し、対応策として夏季休業期間中の開所支援を挙げています。要するに、小学生の夏休み中の居場所が足りていないのです(パッケージは≪コチラ≫、関連記事は≪コチラ≫です。)。

今回の調査では、夏季休業期間のみの利用を希望する家庭の子どもを対象とした居場所の有無を調べました。全国1741市区町村に対して2024年5月1日時点での取組状況のアンケート調査を行い、そのうち1017自治体から回答がありました。回答のあったうち4割弱の自治体で何らかの居場所の取組を実施していました。どのようなサービスを提供しているかも質問しました。夏季休業中のみの放課後児童クラブの利用登録枠を設ける自治体が7割強、通年開所している放課後児童クラブの支援の単位を増やす自治体が2割弱、それ以外の預かり事業を実施する自治体が1割強でした。

夏季休業期間のみの子どもの居場所づくりの施策について、効果があると感じている自治体は8割弱で、その理由として保護者の満足感を挙げる自治体が多いという結果でした。最も大きな課題は人材確保でした。他に、実施場所の確保・選定、安全・衛生管理等を課題とする自治体も多数でした。特に実施していない自治体にその理由を質問したところ、ニーズの不在だけではなく、人材確保の難しさを挙げる自治体もありました。