国民生活センター:乳児を、浴槽の蓋や洗濯機の上には寝かせないで
家庭での「入浴・沐浴に伴う乳児の落下事故」の情報が医療機関ネットワークに加入している32の医療機関から、2020~2025年度までの約5年半の間に78件寄せられました。その中には、浴槽の蓋や洗濯機などから落下して頭部を受傷した事故が発生しており、生後間もない乳児が入院するケースもありました。国民生活センターは、2025年12月17日、注意情報を発しました(注意情報は≪コチラ≫です。)。
乳児が浴槽の蓋や洗濯機から落下するケースが多くみられました。大人が抱っこしていて落下したケースもありました。危害部位は頭部が64件と全体の約8割を占めました。頭部が大きい乳児は、頭から落下するため頭部を受傷することが多く、落下高さによっては重篤なけがを負う危険があります。
落下した乳児の月齢は、約8割(64件)が月齢6カ月以下でした。中でも寝返りが始まる月齢4~5カ月での事故がやや多いほか、比較的動きの少ない月齢3カ月以下の乳児でも落下事故が起きていました。一方、洗濯機から落下した乳児の月齢は全てが6カ月以下でした。これは月齢6カ月を超えると、身長が大きくなり洗濯機の上に収まらないほか、ひとりすわりが始まることなどが一因と推察されました。
【洗濯機からの落下の事例】保護者が乳児を入浴させるため、洗濯機の上に寝かせて脱衣させていた。一瞬目を離した間に床へ落下した(5カ月女児)。●子ども用のマットは普段は床に置いて使用しているが、たまたま洗濯機の上に置いてあったので、そのまま乳児を寝かせた。浴槽の蓋を開けるために乳児から目を離し、後ろを向いたときに乳児が床に落下した。両側前頭葉くも膜下出血により約2週間入院(3カ月女児)。●乳児を洗濯機の上に寝かせ、浴室のシャワーを出すためにその場を離れたところ、ドンと音がした。外傷性くも膜下出血により入院(1カ月男児)。
【浴槽の蓋からの落下の事例】浴槽の蓋の上にベビーバスを乗せ、乳児の沐浴を行っていた。蓋がずれてベビーバスごと乳児が浴槽に落ちた(1カ月男児)。●乳児を風呂場の浴槽の蓋の上に寝かせていた。保護者が目を離した際に寝返りをして落下した(8カ月男児)。●乳児を浴槽の蓋の上に寝かせていた。保護者が髪を洗う際に目を離したところ、乳児が動き落下した。頭頂骨骨折、急性硬膜外血種により約1週間入院(4カ月男児)。
【アドバイス】乳児を洗濯機の上に寝かせることは、絶対にやめましょう。●乳児を寝かせる必要がある場合は、浴槽の蓋など落下する危険性がある場所ではなく、床などの安全な場所を選びましょう。●バウンサーなどの子ども用品を使用する際は、取扱説明書に従い正しく使用しましょう。
