厚労省:意図しない妊娠を防ぐ緊急避妊薬の市販化を承認しました

厚労省は、2025年10月20日、望まない妊娠・予期せぬ妊娠を防ぐ緊急避妊薬について、薬局で購入できる市販薬として国内で初めて製造販売を承認しました。今回承認された緊急避妊薬は、あすか製薬が製造し、第一三共ヘルスケアが販売する「ノルレボ」という薬です。これまでは医師の処方箋が必要でしたが、性と生殖に関する自己決定を求める団体などが市販薬化を求めてきました(ニュースリリースは≪コチラ≫、関連記事は≪コチラ≫です。)。

緊急避妊薬は、性交後に服用することにより、「排卵を抑える」作用のほか、「受精を防ぐ」「子宮への受精卵の着床を阻止する」作用があるとされ、妊娠後の中絶とは異なり、妊娠そのものを防ぎます。性行為から72時間以内に1回服用することによって妊娠を8割程度防ぐとされています(あすか製薬は、妊娠阻止率 81%としています。)。性暴力や避妊の失敗などによる望まない妊娠・予期せぬ妊娠を防ぐ薬で、アフターピルとも呼ばれています。

購入にあたり保護者の同意は不要で、使用する年齢に制限はありません。ただし、厚労省が定めた専門研修を修了した薬剤師による対面販売が必要な「要指導医薬品」に指定し、その薬剤師の目の前で服用することを義務づけます。対面での購入が義務づけられるため、薬局で購入した薬を持ち帰って自宅で服用することや、他人のために代理で購入することはできません。また、オンラインでの購入もできません。

実際に販売される時期については未定となっていますが、来春ごろには販売が始まるものと見込まれます。価格は、2023年11月から開始された試験販売ではおよそ7000~9000円となっていました。