厚労省・警察庁は共同で統計公表:2024年の小中高生の自殺者は529人、過去最多を更新してしまいました
厚労省と警察庁は共同して、2025年3月28日、「令和6年中における自殺の状況」の統計を公表し、2024年におけるわが国の自殺の状況を明らかにしました(統計は≪コチラ≫、前年の記事は≪コチラ≫です。)。
わが国全体の自殺者数は、2003年をピークとして近年おおむね下降傾向にあります。2024年の全国の自殺者数は2万0320人で、前年に比べて1517人減少し、過去2番目に少なくなりました。男女とも減少し、男性の1万3801人は3年ぶりの減少(前年より1061人の減)、女性の6519人は2年連続の減少でした(同456人の減)。
これに対して、子どもの自殺は増加傾向にあります。小中高生の自殺者数は前年から16人増の529人であり、統計のある1980年以降では最多となってしまいました。校種別の内訳は、小学生15人(前年より2人の増)、中学生163人(同10人の増)、高校生351人(同4人の増)でした。長野県内の自殺者総数は247人で、そのうち20歳未満は12人でした。
小中高生の自殺を原因・動機別に分けると、学校問題が272件で最も多く、次いで164件の健康問題、108件の家庭問題、73件の不詳、54件のその他となっています。学校問題の中に「いじめ」があり、9件とあります。なお、自殺の原因・動機の捉え方として、2021年までは遺書等の裏付け資料により明らかに推定できる原因・動機を自殺者1人につき3つまで計上可能としていましたが、2022年からは、家族等の証言から考えうる場合も含めて、自殺者1人につき4つまで計上可能としました。原因・動機は推定されている場合もありうることに注意を要します。
子どもが自ら死を選んで命を絶つということはあってはならない悲しい出来事であり、子どもの自殺を防ぐために私たちは最善を尽くす必要があります。政府のこどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議は、2023年6月2日、「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を策定し、諸対策を掲げて子どもの自殺対策に尽力しています(概要版は≪コチラ≫です。)。緊急強化プランが自殺対策として掲げる項目には「こどもの自殺の要因分析」「自殺予防に資する教育や普及啓発等」「自殺リスクの早期発見」「電話・SNS等を活用した相談体制の整備」「自殺予防のための対応」「遺されたこどもへの支援」「こどもの自殺対策に関する関係省庁の連携及び体制強化等」があります。こうした対応で必要・十分といえるのかどうか不断に検討する必要があると思われます。