初の「こども大綱」が閣議決定されました

政府は、2023年12月22日、今後5年程度の間の子ども政策の方向性を定める「こども大綱」を閣議決定しました。2022年6月に成立した「こども基本法」9条は、「こども大綱」の策定を政府に義務づけていました。この法律を受け、パブリックコメントの募集などの手続を経て、政府はこの度「こども大綱」を決定したものです。子ども政策の重点項目として、子どもの貧困対策、障害児への支援、学校での体罰や不適切な指導の防止、児童虐待や自殺を防ぐ取り組みの強化などが掲げられています。

こども家庭庁から提出された答申と比べると、「校則の見直し」の項目が新たに追加されました。不合理な「ブラック校則」が社会で問題視される中で、「こども大綱」は、「校則は、各学校がそれぞれの教育目標を達成するために、必要かつ合理的な範囲内で定めるもの」とした上で、校則を見直す際には「こどもや保護者等の関係者からの意見を聴取した上で定めていくことが望ましい」と明記しました。「望ましい」にとどめた点は十分ではありませんが、子どもや保護者等の意見をきいて校則を定める方向は重要な前進といえます。

また、「こども大綱」は、過去の国民の意識調査で明らかになった結果をもとに12項目の数値目標を設定しました。たとえば、今後5年程度で、子どもまんなか社会の実現に向かっていると思う人の割合を現在の16%から70%に引き上げる、子育てなどに温かい社会の実現に向かっていると思う人の割合を現在の28%から70%に引き上げる、日常生活などを円滑に送ることができていると思う子ども・若者の割合を現在の52%から70%に引き上げるなどの数値目標が明示されました。

閣議決定された「こども大綱」は下記をご参照ください。

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f3e5eca9-5081-4bc9-8d64-e7a61d8903d0/276f4f2c/20231222_policies_kodomo-taikou_21.pdf