内閣府調査:痴漢被害者が初めて被害を受けたときの年齢はほとんどが未成年

内閣府は、2024年7月4日、痴漢被害に特化した国として初となる「若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査」の結果を公表しました(報告書は≪コチラ≫、概要は≪コチラ≫です。日付は2024年3月ですが公表は7月4日でした。)。調査は、内閣府からの委託により株式会社リベルタス・コンサルティングが実施しました。

全国の16~29歳を対象に、オンラインで回答を寄せた36,231人のうち、10.5%にあたる3,804人が痴漢による被害経験を訴えました。痴漢も含めた被害の内訳は下表のとおりです。

(出典 「若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査」概要版・2ページ)

痴漢被害の経験者の内訳は、女性が88.0%、男性が10.6%でした。痴漢被害の場所は、電車内の62.8%が最多で、次いで路上の13.0%でした。駅構内のホームなどを合わせた電車関連で70.0%を占めました。

初めて痴漢被害を受けた時の年齢は、16~19歳が最多の46.4%、次いで15歳以下の35.4%でした。被害時の学年が幼稚園、小学生との回答もありました。被害時の対応について、42.7%が「とっさのことで何もできなかった」、32.5%が「怖くて体が動かなかった」、30.3%が「我慢した」、25.4%が「混んでいて何もできなかった」と回答しました。被害後の対応は、80.4%が「おおごとにしたくなかったから」などの理由で警察や駅員など関係機関に知らせませんでした。すぐに警察に知らせたのは9.9%、後日警察に知らせたのは4.2%でした。

被害についての自由記載欄には、「知らない異性が近くにいると吐き気を催し、心拍数上昇や、めまいなども頻繁に起こる」「何年たってもその瞬間の記憶は薄れないし、ずっとトラウマになっている」「早い年齢から性犯罪に対する知識をつける事の大切さを感じました」「思い出しては涙が出てきます」など切実な声があります。今後期待する取組としては「被害者に落ち度は全くなく、加害者が100%悪いという態度を一貫して示して欲しい」「夜も女性専用車両があった方がいいと思う」「被害者のケアを回復するまで行政が無料でして頂きたい」「痴漢被害による遅刻・欠席扱いなど、社会的にマイナスになることがないようにして欲しい」などが出されました。

痴漢による被害の実態には深刻なものがあることが今回の調査であらためて分かりました。このような被害が放置されてよいわけがありません。痴漢の摘発は当然ですが、痴漢は重大な犯罪であるという明確な認識を私たち一人ひとりが持ち痴漢の撲滅を実現しなければなりません。