全国子どもアドボカシー協議会は、子どもの意見表明等支援事業の全国普及状況を調査しました

児童福祉法改正によって新設された「子どもの意見表明等支援(子どもアドボカシー)事業」が始まったのは、2024年4月1日でした。この事業は、施設などに入所している子どもの声や思いを独立した立場で丹念に聴きとって行政などに伝えるものであり、その役割を果たすのが意見表明等支援員です。子どもの声を聴きだして権利の実現を支援する活動をアドボカシー(advocacy)、代弁者・擁護者をアドボケイト(advocate)といいます(関連記事は≪コチラ≫です。)。

NPO法人全国子どもアドボカシー協議会は、大分大学権利擁護教育研究センターの協力の下で、アンケート調査を実施しました。調査は、2024年10月2日~11月15日、児相設置自治体79自治体(47都道府県+32市区町村)を対象にしてオンラインで実施され、61自治体(77.2%)から回答がありました。その調査結果が2025年1月6日公表されました(概要版は≪コチラ≫、詳細版は≪コチラ≫です。)。

調査結果のサマリー部分を紹介します。【事業の実施状況】77.0%にあたる47自治体が事業を実施中で、うち約7割が民間団体に委託していました。【意見表明等支援員の属性】約8割が女性で年代は50歳代以上が最多でした。意見表明等支援員の数は、1~10人で活動しているとの回答が52.8%で最多でした。【意見表明等支援員の活動状況】一時保護施設や児童養護施設を中心に活動している自治体が多数でした。頻度は週1回から年1回までと地域差が見られました。【事業の課題】支援員の不足、予算不足、関係機関との調整が課題となっています。離島派遣や施設間での温度差の課題も指摘されています。【育成・報酬】意見表明等支援員の研修については、事前・事後研修を実施している団体は5割にとどまり、研修体制が十分に整備されているとはいえません。報酬は、ほぼ全団体で支給されていますが、弁護士への報酬額はそれ以外の者に比して高くなっていました。【運営体制との連携】8割以上の自治体が「こどもの意見表明を審議する権利擁護部会等」を児童福祉審議会の中に設置していました。運営体制としてスーパーバイザー、トレーナー、コーディネーターの配置については、いずれの職種も5割を超えておらず、研修についても十分ではありません。

この制度は緒についたばかりです。しかし、子どもの権利条約に規定された子どもの意見表明権を保障する重要な制度です。確実に定着するよう支援し協力していきましょう。