児童虐待防止法を改正へ。児童虐待が行われた疑いがある場合にも、一時保護中の子どもとの面会・通信を制限できるとする制度の導入へ
これまでは、児童虐待防止法12条により、児童虐待を行った保護者に対し、一時保護中の子どもとの面会・通信を制限することができました。これに対し、児童虐待が行われた疑いがあるにすぎない段階にある場合は、面会・通信の制限の対象外でした。そのため、こうしたケースでは、行政指導によって面会・通信を事実上制限して対処することもありました。しかし、行政指導は明確な法律上の根拠を欠き、法的効果もあいまいですので、トラブルを招きかねません。この点を法的に明確にする必要がありました。また、子どもが保護者と面会・通信できなくなると、子どもに心理的影響を与える可能性があります。そのため、面会・通信を制限しようとするときは、子どもの意見を聴く仕組みを設ける必要がありました。このような必要性から、政府は、児童虐待防止法12条等の改正案をとりまとめ、今の通常国会での改正を目指すことにしました。
まず、保護者から児童虐待が行われた疑いがある場合、面会・通信が一時保護中の子どもの心身に悪影響を及ぼす恐れが大きいと認められるときは、児童相談所長は面会・通信を制限することができるよう改正します。この法改正によって、保護者の同意なく面会・通信の制限ができる要件と効果が明確となり、適切な運用が図られると見込まれます。
また、児童虐待が行われた疑いがある場合、その子どもの現住居所や所在地等を保護者に明らかにしたとすれば著しい支障をきたすと認められるときは、子どもの住居所等を保護者に知らせないという改正もなされます。さらに、面会・通信の制限を行うときには、その子どもへの意見聴取等をすべきとする改正もなされる予定です(政府の説明は≪コチラ≫です。)。