保護者のテレビゲーム・SNS・動画の使用時間が長いと、子どもの使用時間も長い。文科省の「経年変化分析調査・保護者に対する調査」から

文科省は、2013年、2016(2017)年、2021年に「経年変化分析調査・保護者に対する調査」を実施しました。これは、「経年変化分析調査」と「保護者に対する調査」から成っています。前者は、難易度が同じ問題で小学6年と中学3年の学力の経年の変化を調べる調査であり、後者はそれらの子どもの保護者から子どもの生活ぶりや家庭の状況などを調査するものです。文科省は、2024年5月16日~6月28日にかけて4回目の調査を実施し、2025年7月31日、「令和6年度 経年変化分析調査・保護者に対する調査」として結果を公表しました(概要は≪コチラ≫、概要のポイントは≪コチラ≫です。)。以下は、「保護者に対する調査」の結果概要からそのまま引用しました。

◎保護者に対する調査から、児童生徒の学校外での過ごし方について、改めて以下のことが明らかになった。〇学校外での勉強時間は前回調査から減少。学校外での勉強時間が長いほど、経年変化分析調査のスコアが高い傾向。〇テレビゲームの使用時間は前回調査から増加。テレビゲームの使用時間が長いほど、経年変化分析調査のスコアが低い傾向。〇スマートフォンの使用時間も前回調査から増加。スマートフォンの使用時間が一定程度を超えると、経年変化分析調査のスコアは低下。

◎子供の学校外での過ごし方に影響を与えている可能性があるものは何か分析したところ、以下のことが明らかになった。〇子供と勉強の話をする保護者の割合は減少(そのような保護者の子供の方が勉強時間が長い。)。〇学校生活が楽しければ、良い成績を取ることにはこだわらない保護者の割合は増加(そのような保護者の子供の方が勉強時間が短い。)。〇「ゲームの時間を限定している」保護者の子供の方が、テレビゲームの時間が短い。〇「スマホルールを守るよう促す」保護者の子供の方が、SNSや動画視聴の時間が短い。〇保護者のテレビゲーム、SNS・動画視聴の使用時間がそれぞれ長いと、子供の使用時間も長い。

◎ 授業が「よく分かる」と回答している児童生徒の方が勉強時間が長く、テレビゲーム、SNS・動画等の時間が短い。ただし、授業がよく分かる場合も分からない場合も、家で保護者と勉強の話をする児童生徒の勉強時間が長い。