ヤングケアラー支援のための法改正が行われました
子どもが独りで家族の世話を長時間しているヤングケアラーの存在は以前から知られていました。学校を欠席遅刻早退しがちで、学校生活のみならず日常の生活にも大きなハンディを負っています。ところが、こうした子どもへの支援は自治体ごとに取組にばらつきがあり、都道府県と市町村の役割分担も明確ではありませんでした。このような状況は一刻も猶予ならず、ヤングケアラー支援のための法制度の整備は急務でした。
ヤングケアラー支援のため、2024年6月5日、「子ども・若者育成支援推進法」が改正され、同年6月12日から施行されました。基本理念を定めた2条7号に、「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者・・・に対しては、その困難の内容及び程度に応じ、当該子ども・若者の意思を十分に尊重しつつ、必要な支援を行うこと。」と盛りこまれました。その中の「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」がヤングケアラーの定義に当たります。対象年齢はおおむね30歳未満を中心とするが、状況に応じ40歳未満の者も対象となりうるとします。
支援には、ヤングケアラーの状況を把握することが欠かせません。特に住民に最も身近な市区町村が実態把握を少なくとも年1回程度定期的に実施するようにします。支援の必要性・緊急性の高いケースでは優先的に支援することとして、生活保護や児童扶養手当の受給状況、学校等を通じたアンケート調査、精神保健福祉分野との連携を通じて把握して支援につなげます。18歳未満と18歳以上のヤングケアラーで支援の方向には差があります。具体的な支援内容としては、介護保険サービスや障害福祉サービス、子育て世帯訪問支援事業、外国語対応通訳の派遣等を活用して、ヤングケアラー本人が担っているケアを公的な外部サービスで代替していくことなどを予定しています(「『子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律』の一部施行について」は≪コチラ≫、概要版は≪コチラ≫、関連記事は≪コチラ≫です。)。