ミニ情報 中核市に児童相談所を!松本市に児童相談所を!
中核市とは、20万人以上の人口を擁し、地方自治法252条の22第1項に定める政令による指定を受けた市をいいます。中核市に指定されると、政令指定都市ほどの広範な権限は持たないものの、従来は都道府県が担ってきた行政事務の一部の権限が移譲され、住民に身近なところで地方自治が行われることになります。たとえば、保健所の設置や飲食店の営業の許可など、住民の生活に密接にかかわる行政事務が中核市に移譲されます。中核市制度は1995年4月1日に施行されました。2025年1月現在、全国の62市が指定され、長野県内では長野市と松本市が該当します。
2004年の児童福祉法改正により、中核市に児童相談所を設置することができるようになりました(さらに、2016年の児童福祉法改正により、特別区〔東京の23区〕においても児童相談所の設置が認められました。)。2018年7月20日、その当時児童相談所を所管していた厚労省は、中核市市長ほか関係自治体の首長宛に「児童相談所設置に向けた検討及び児童相談所設置自治体の拡大に向けた協力について(依頼)」の書面を発し、児童相談所の拡大や自治体間の協議、協力を要請しました(書面は≪コチラ≫です。)。
2024年4月1日現在の児童相談所数は全国で234ヶ所をかぞえますが、そのうち中核市に設置された児童相談所は末尾一覧表の4ヶ所にとどまっています。児童相談所は、子どもに関する多種多様な相談に応じ、子どもや家庭に最も適した援助や助言を行う機関として重要です。ことに児童虐待相談対応件数は毎年増加し、事案も複雑化しており、児童相談所の業務は質・量ともに増加しています。住民の身近で児童虐待に対応できるよう、各地の中核市で児童相談所を設置していくことが必要です。私たちの住む松本市も中核市に指定されていますので、その利点を最大限生かして、市立の児童相談所を設置できればベターです。少なくとも、松本市児童相談所の設置に向けて意義や課題を検討する委員会を設け協議を始めることが重要です。
★児童相談所を設置した中核市一覧表
自治体名 | 児相相談所名称 | 設置年月日 | 市人口(24.10.1) |
神奈川県 横須賀市 | 横須賀市児童相談所 | 2006年4月 | 371241人 |
石川県 金沢市 | 金沢市児童相談所 | 2006年4月 | 455759人 |
兵庫県 明石市 | 明石こどもセンター | 2019年4月 | 306453人 |
奈良県 奈良市 | 奈良市子どもセンター | 2022年4月 | 347557人 |