ミニ情報 「不起訴」と「起訴猶予」はどこに違いがあるのですか?
犯罪があったときその被疑者を裁判所に起訴する権限は、一部の例外を除き、検察が独占しています。これを起訴独占主義といいます。刑事訴訟法247条に根拠があります。検察は、被疑者を起訴しないこともできます。起訴しないことを「不起訴」あるいは「不起訴処分」といいます。その不起訴の中にはさまざまな種類のものが含まれています。証拠上で犯罪を証明できないときを「嫌疑なし」、証拠が十分でないときを「嫌疑不十分」といいます。これに対し、証拠が十分に揃っているけれども被告人の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の状況などに照らして起訴するまでもないときを「起訴猶予」といいます。不起訴処分の中では「起訴猶予」の件数が圧倒的多数を占めています。その他には、そもそも犯罪に該当しないときの「罪とならず」、被疑者が死亡したときの「被疑者死亡」、親告罪(起訴するのに告訴権者からの告訴を必要とするタイプの犯罪)について告訴権者からの告訴が後日取り下げられたときの「親告罪の告訴取り下げ」などの不起訴事由があります。