こども家庭庁:「被措置児童等虐待対応ガイドライン」を策定しました

こども家庭庁は、2025年9月25日、「被措置児童等虐待対応ガイドライン」を策定し、関係自治体に通知しました(ガイドライン付の通知は≪コチラ≫です。)。施行は2025年10月1日です。2009年3月31日付の同名のガイドラインが存在していましたが、2025年9月30日限りで廃止されました。

【対象となる施設の範囲】本ガイドラインが対象とする施設は、児童養護施設、里親、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設、一時保護施設(一時保護委託先を含む。)などです。保育所や幼稚園、放課後児童クラブ、児童館などは、2025年8月29日付の「保育所や幼稚園等における虐待の防止及び発生時の対応等に関するガイドラインについて」が適用されます(関連記事は≪コチラ≫です。)。

【虐待の類型】身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4つです。これらの虐待が施設の職員によってなされたものを「被措置児童等虐待」と名づけました。

【通告義務】被措置児童等虐待を受けたと思われる子どもを発見した者には通告義務があり、速やかに通告しなければなりません。また、被措置児童は、自ら届け出ることができます(児童福祉法33の12)。通告・届出先は、福祉事務所、児童相談所、都道府県の担当(⇒次項)、審議会、市町村です。

【都道府県に担当部署を設ける】本ガイドラインは、あらかじめ都道府県が被措置児童等虐待の担当部署を設け、ルールやマニュアルを作ることを求めています。担当者が1人で対応するのではなく組織的に対応し、相談や通告、届出、情報提供があった場合にどのような体制で対応し事実確認を行うか、関連機関との連携をどうするかなどについてあらかじめルールを定めておき、組織内で認識を共通にしておく必要があります。

【担当部署の対応】担当部署は、通告や届出を受けて内容を検討し対応方針を決めます。事実確認や訪問調査をし、被措置児童等虐待が疑われるときはケース会議を開き、虐待が認められたときには報告徴取、立ち入り調査、改善勧告などの権限行使をします。担当者は、必ず複数の職員による体制を組み、対応するよう求めています。その場合、施設の監督担当者と児相の児童福祉司がチームを組むことなどを提案しています。被措置児童の安全確保が緊急に必要という場合は、児相に一時保護を指示することもあります。被措置児童に対する支援や他の児童に対するケアも必要になります。本ガイドラインにはこうした対応の道筋の説明がなされています。