こども家庭庁公表:2024年中に子どもの施設で起きた重篤な事故は3190件で最多を更新

こども家庭庁は、2025年7月31日、全国の教育・保育施設等で発生した重篤な事故で、2024年1~12月に国宛に報告があった件数を集計した結果を公表しました。重篤な事故には、死亡事故、意識不明事故、治療期間が30日以上の負傷や疾病を伴う事故の3種類が含まれています。意識不明事故は、どんな刺激にも反応しない状態に陥ったものをさします。対象となる施設には、認定こども園、幼稚園、保育所、小規模保育事業、一時預かり事業、病児保育事業、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)その他が含まれ、学校は除かれています。公表された統計には集計された事故の件数が表示されており、詳しい事故態様や事故原因の分析はなされていません。(統計は≪コチラ≫です。前年に関する記事は≪コチラ≫です。)。

2024年中に報告された重篤な事故は3190件にのぼりました。前年からは418件増えて、報告が義務化された2016年以降では最多となりました。

死亡の報告は3件で、対前年6件の減少となりました。発生した施設は、認定こども園(原因は睡眠中の病死)、認可保育所(原因は食事中の窒息)、認可外保育施設(原因は睡眠中のSIDS=乳幼児突然死症候群)の各1件でした。

負傷等の報告は3187件で、対前年424件の増加となりました。そのうち意識不明事故は13件で、対前年11件の減少でした。負傷等のうち、骨折を伴うものは2537件で、対前年348件の増加でした。負傷等の事故の発生場所は施設内が2850件で(対前年369件の増)、そのうち1451件(対前年64件の増)は施設内の室内で発生しました。

国は、2016年3月、事故が発生しやすい場面ごとの注意事項や、事故が発生したときの具体的な対応策について、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」を作成して注意を促しています(施設・事業者向けは≪コチラ≫、自治体向けは≪コチラ≫、事故発生時の対応は≪コチラ≫です。)。特に、午睡中の窒息事故、プール活動・水遊び中の事故、集団で移動中の交通事故、食事中の誤嚥事故、送迎用バスに置き去りにされたことによる熱中症の事故、園外活動時における園児の見落とし事故などが多数発生しており、こども家庭庁はそれぞれ通知を発し注意喚起を行っています。