こども家庭庁公表:2023年度における全国の児童福祉司の退職者270人のうち、225人が定年退職以外の退職でした
こども家庭庁は、2024年9月12日、2023年度における全国の児童福祉司の退職者数などを公表しました(「今後の制度改正に関する検討状況について等」は≪コチラ≫です。該当部分は52~56ページです。)。児童福祉司は、児童相談所の業務を担う地方公務員で、「児童の保護その他児童の福祉に関する事項について、相談に応じ、専門的技術に基づいて必要な指導を行う等児童の福祉増進に努める。」とされています(児童福祉法13条4項)。児童虐待のコーディネーター的な立場に立つ重要な職務を行います。
全国の児童相談所で2023年度に採用された児童福祉司が633人だったのに対し、270人の児童福祉司が退職しました。退職者の内訳は、定年退職11人、定年退職以外の退職225人、非常勤職員の退職34人となっています。定年退職以外の退職者が圧倒的多数を占めています。定年退職以外の退職者の退職理由を自治体に尋ねたところ、心身の不調40人、業務内容・量等に対する悩み・不満等33人、家族の事情27人などという回答でした。職場定着について課題と考えていることについては、「時間外業務(休日夜間対応も含む)の多さ」「質・量ともにオーバーワークとならない業務の在り方」「相談しやすい職場環境の整備 」「モチベーションの維持・向上」「若手職員への指導による中堅・ベテラン職員の負担増」「専門性の高い人材の確保 」「職員へのメンタルケア」などが挙げられました。こども家庭庁は、「児童福祉司の退職者の多くが心身の不調や業務上の悩み・不満で退職しており、人材の職場定着が喫緊の課題」としています(資料は≪コチラ≫の2ページです。)。
もっとも、児童心理司にも104人の退職者が出ており、定年退職以外の退職者が77人を占めています。児童心理司にも児童福祉司と同様の傾向が見られました。そうしますと、児童相談所の業務内容や仕事のあり方にも要因が求められそうです。


(出典 こども家庭庁「今後の制度改正に関する検討状況について等」 52~53ページ)