こども家庭庁公表:一時保護の際の司法審査に関する児相の対応マニュアル案

こども家庭庁は、2024年1月16日、一時保護の際の裁判所による司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル案を公表しました(⇒末尾の※)。

子どもが虐待されているとき、これまでは児童相談所長の権限と判断によって子どもを一時保護することができました。しかし、一時保護は、親子分離の結果をもたらし、子どもの行動の自由を制限します。そのため、人権保障の視点から裁判所の関与が必要との意見が以前から強く指摘されていました。また、国連・子どもの権利委員会による日本政府に対する総括所見は「子どもを家族から分離するべきか否かの決定に関して義務的司法審査を導入」すべきことを求めています(⇒末尾の※※)。このような意見や総括所見を受けて、2022年6月8日、児童福祉法33条が改正されました(⇒末尾の※※※)。その結果、原則として裁判所による司法審査を経なければならないと変更されました。この改正によって、児童相談所長が一時保護をする際には、原則として、事前又は一時保護の開始から7日以内に裁判所宛に一時保護状の発付を請求しなければなりません。この改正法の施行時期は、2025年6月を予定されています。この度は、その裁判手続のための詳しい対応マニュアルや書式の案がこども家庭庁から公表されたものです。

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/85da4e7d-4295-4367-b26c-22895936232a/5adb088c/20240116_councils_Judicial-Review-Working-Team-on-Temporary-Protection_Draft-manual_01.pdf

※※https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/data/soukatsu_ja.pdf P7

※※※https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/c3e263aa-807b-42c0-9316-8437a570e72d/479bc3d7/20231225_councils_Judicial-Review-Working-Team-on-Temporary-Protection_ZK47gF7u_12.pdf